作品が「買える」展覧会
アートウィーク東京(AWT)特別企画「平衡世界 ⽇本のアート、戦後から今⽇まで」が、2023年11⽉2⽇(⽊)から5⽇(⽇)まで、⼤倉集古館 AWT BUSにて開催される。AWTは世界最⾼峰のアートフェア「アートバーゼル」と提携し、⽇本の現代アートの創造性と多様性、またそのコミュニティを国内外に紹介する国際的なアートイベント。
本展は「買える」展覧会・AWT FOCUSとして、美術史的観点から選定された作品を通じて、⽇本の近現代美術を読み解くキーワードを再考すると同時に、展⽰される作品はすべて参加ギャラリーを介して購⼊できるという企画。滋賀県⽴美術館ディレクター(館⻑)の保坂健⼆朗をアーティスティックディレクターとして迎え、1917年に実業家の⼤倉喜⼋郎によって設⽴された、現存する⽇本最古の私⽴美術館である⼤倉集古館で行われる。
展覧会の見どころ
ギャラリストも惜しむような作品の数々が集結
「これだけの数のミュージアムピース級作品が購⼊可能として出てきたのは驚くべきこと」とディレクターを務めた保坂をも唸らせるように、出展ギャラリーが奮って各作家の重要作品を蔵出し。今⽇、美術館の常設展⽰以外では⽬にする機会が少なくなっている物故作家の作品や、本展で初公開となる新作を含む、64作家による100点を超える作品が集結する。会場で⾒て気に⼊った作品は、出展するギャラリーを介して購⼊することが可能。
⽇本の戦後のアートをジャンルレス+⾮時系列のアプローチで展観
展覧会タイトルにある「平衡」は、物質と⾮物質、デザインと絵画など、⼆つあるいはそれ以上の項の間に、緊張感をもったバランスを求める姿勢のことを表していると保坂はコメント。⼀⾒相反する概念の間に「バランス(平衡)」を求めてきたからこそ、戦後から現代に⾄るまで⽇本ではたくさんのユニークな表現が誕⽣してきたということを、ジャンルレス+⾮時系列の構成で展観する。
伊東忠太設計の⼤倉集古館の意匠を活かした会場デザイン
展覧会の会場は、南⻘⼭に限定オープンするAWT BARを⼿がける⼭⽥紗⼦建築設計事務所によるデザイン。伊東忠太設計により1927年に竣⼯した⼤倉集古館は、1998年に国の登録有形⽂化財となり、2019年には⾕⼝吉⽣(⾕⼝建築設計事務所)の設計による約5年半の⼤規模改修⼯事を経てリニューアルオープンした。柱に⿓や獅⼦があしらわれるなど独創的な中国古典様式の展⽰室に着想を得て、⼭⽥紗⼦が本展ならではの空間を設計した。
出展作品(一部)
セクションタイトルおよび出展作家一覧
物質と⾮物質
⿊⽥⾠秋、倉俣史朗、⼩林正⼈
アーツ・オア・クラフツ
⼭⼝⻑男、植松永次、⼤庭⼤介、桑⽥卓郎、髙畠依⼦、⽯塚源太、上⽥勇児、浜名⼀憲
書の場
井上有⼀、⽐⽥井南⾕、⼤⻄茂、吉増剛造
線の抽象化
⼋⽥豊、前川強、堀浩哉
⾊の解放
⼤⽵伸朗、杉本博司、O JUN、⼩林正⼈、⽯川順惠
空間の⽣成
堀内正和、今井祝雄、⼋⽊⼀夫、磯崎新
⾃然と⼈⼯
⼤辻清司、⿃海⻘児、斎藤義重、菅⽊志雄、⼩川待⼦、元永定正、李禹煥、⾦光男
⽊と⾦属
勅使河原蒼⾵、⻑⾕川寛⽰、⼾⾕成雄、髙橋銑
デザインと絵画
吉原治良、伊藤久三郎、菅井汲、岡本信治郎、杉全直、O JUN、三輪美津⼦、宮林妃奈⼦、南川史⾨
次元の加減
伊藤義彦、中⻄夏之、会⽥誠、篠⽥太郎、沖潤⼦
男のいない抽象
桂ゆき、芥川(間所)紗織、福島秀⼦、⼭崎つる⼦、⽥中敦⼦、宮本和⼦
ポストヒューマンの時代に
⻘⽊陵⼦、モリマサト、松下真理⼦、川内理⾹⼦、楊博、鵜飼結⼀朗、⼤⽵利絵⼦
アーティスティックディレクター|保坂健⼆朗
滋賀県⽴美術館ディレクター(館⻑)。1976年⽣まれ。慶應義塾⼤学⼤学院修⼠課程修了後、2000~20年まで東京国⽴近代美術館(MOMAT)に学芸員として勤務、2021年より現職。MOMATで企画・担当した主な展覧会に「建築がうまれるときペーター・メルクリと⻘⽊淳」「エモーショナル・ドローイング」(以上、2008年)、「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」(2010年)、「イケムラレイコうつりゆくもの」(2011年)、「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「現代美術のハードコアはじつは世界の宝であるヤゲオ財団コレクションより」(2014年)、「声ノマ全⾝詩⼈、吉増剛造展」(2016年)、「⽇本の家1945年以降の建築と暮らし」(2017年)、「隈研吾展新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(2021年)など。「DoubleVision: Contemporary Art from Japan」(2012年、モスクワ市近代美術館ほか)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(2014年、ハウス・コンストルクティヴほか)、「The Japanese House: Architecture and Life after 1945」イタリア国⽴21世紀美術館(2016年、ローマ)など国外での企画にも携わる。公益財団法⼈⼤林財団「都市のヴィジョン」推薦選考委員、⽂化庁⽂化審議会⽂化経済部会アート振興ワーキンググループ専⾨委員なども務める。
アートウィーク東京
東京における現代アートの創造性と多様性を国内外に発信する年に⼀度のイベントである「アートウィーク東京」は、⽂化庁の協⼒のもと、世界有数のアートフェアである「アートバーゼル」と提携し、⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォームが主催。東京都、アートウィーク東京モビールプロジェクト実⾏委員会と連携し、都内の主要アートスペースをつなぐ交通⼿段の提供など幅広い鑑賞者層に対してアートアクティビティの体験機会を創出する「アートウィーク東京モビールプロジェクト」を通じて、東京の現代アートを⽀える環境基盤の形成に努めている。パンデミック下における2021年に初開催となったアートウィーク東京は、訪⽇外国⼈観光客の受け⼊れが始まった2022年に規模を拡⼤する形で開催し、美術館やギャラリーなど51のアートスペースが参加。2022年度は、4⽇間にわたる会期を通じてのべ3万2,000⼈を超える参加者を記録。アートウィーク東京モビールプロジェクトの⼀環として運⾏した無料のシャトルバス「AWT BUS」は、会期中の午前10時から午後6時の間に約15分おきに特設のバス停を巡回した。また、気鋭の建築家・萬代基介の設計による「AWT BAR」をナイトアウトプログラムとして南⻘⼭にオープン。4名のアーティストとのコラボレーションによるオリジナルカクテルを提供し、⽇中アート鑑賞を楽しんだ⼈々が、夜に集う憩いの場として賑わいを⾒せた。2023年は11月2日(木)から5日(日)までの4日間、都内50の美術館、インスティテューション、ギャラリー、⼤倉集古館(AWT FOCUS)、AWT BAR、ほか各プログラム会場にて開催する。詳細は公式サイトへ。
AWT FOCUS「平衡世界 ⽇本のアート、戦後から今⽇まで」開催概要
会期・時間 | 2023年11⽉2⽇(⽊)~5⽇(⽇) 10:00 ‒ 18:00(最終⼊場17:30) |
会場 | ⼤倉集古館 AWT BUS [C1][D7][G3] |
主催 | アートウィーク東京/⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォーム |
特別協力 | 公益財団法⼈⼤倉⽂化財団・⼤倉集古館 |
料金 | ①11/2(⽊) 10:00 - 17:30・11/3(金)~5(日)10:00 - 11:00 【⼀般】当⽇2,000円 / 前売1,800円 【ペア】前売3,400円 ②11/3(金)~5(日)11:00 - 17:30 【⼀般】当⽇2,200円 / 前売2,000円 【ペア】前売3,800円 ※学⽣・⼦どもは全⽇程無料 |
URL | https://onl.tw/x3xdVDw |