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目に見えない土地や自然からのはたらきかけを受け取り返礼する

現代美術家・内藤礼のコミッションワーク 「返礼」が、富山のアートホテル「楽土庵」で2025年5月より公開されている。本作品は、「タマ/アニマ (わたしに息を吹きかけてください) 」と、ホテルが位置する富山県西部砺波地方で伝統建築アズマダチと屋敷林カイニョが点在する散居村の自然と一体となったもの。幅3.65cm、長さ460cmの繊細な水路に水が張られた立体作品で、息を吹きかけることで生まれる波紋が水面を伝わり、その先に広がる散居村へと意識を誘う。

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Photo by Nik van der Giesen

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Photo by Nik van der Giesen

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Photo by Nik van der Giesen

この息と水は一つのひかる波に変身し、向こうへ走り出す。私はそれを見ている。
生、それは顕れるとすぐさまどこかへ消えてしまい、私は後を追うこともできず、ただ見送る。
そして、再び息をする。
私たちを生かしている何かに対して「返礼」しようと思う。
生を受け取り生きていると、伝えようと思うのだ。

内藤 礼

本作品は楽土庵のために制作された。散居村の景観と鑑賞者を結ぶような水路と庭全体が作品となっている。鑑賞者が作品に息を吹きかけるという行為には、呼吸における“吸う”(受け取る)と“吐く”(返礼する)というメタファーが込められている。宿泊客は滞在中自由に鑑賞でき(一部時間帯を除く)、宿泊者以外の方も公式サイトから事前予約制・有料(1,200円)で鑑賞できる。

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Photo by Nik van der Giesen

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楽土庵外観

内藤礼

1961年広島県生まれ。現在東京を拠点に活動。1985年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。1991年、佐賀町エキジビット・スペースで発表した「地上にひとつの場所を」で注目を集め、1997年には第47回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館にて同作品を展示。「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」を一貫したテーマとした作品を手がけている。

これまでの主な個展に「みごとに晴れて訪れるを待て」国立国際美術館(大阪、1995年)、「Being Called」フランクフルト近代美術館企画、カルメル会修道院(フランクフルト、1997年)、「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」神奈川県立近代美術館 鎌倉(神奈川、2009年)、「信の感情」東京都庭園美術館(東京、2014年)、「信の感情」パリ日本文化会館(パリ、2017年)、「Two Lives」テルアビブ美術館(テルアビブ、2017年)、「明るい地上には あなたの姿が見える」水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城、2018年)、「うつしあう創造」金沢21世紀美術館(石川、2020年)、「breath」ミュンヘン州立版画素描館(ミュンヘン、2023年)、「生まれておいで 生きておいで」東京国立博物館、銀座メゾンエルメス フォーラム(東京、2024年)がある。また、パーマネント作品に、「このことを」家プロジェクト「きんざ」(香川、2001年)、「母型」豊島美術館(香川、2010年)。受賞に、日本現代藝術奨励賞(インスタレーション部門、1994年)、第一回アサヒビール芸術賞(2003年)、第60回毎日芸術賞(2018年)、第69回芸術選奨文部科学大臣賞(美術部門、2019年)。

内藤礼「返礼」

所在地楽土庵
URLhttps://www.rakudoan.jp/rei-naito/