白井屋ホテル2周年記念。小金沢健人とコラボした前橋のまちなかを灯すアートイルミネーション

前橋のアートデスティネーション「白井屋ホテル」を運営する白井屋ホテルは、「前橋のまちなかをアートで明るく灯したい」という思いから、昨年より創業周年の記念としてアートイルミネーションをスタート。2回目となる今年は、ベルリンをはじめ、世界中でさまざまなアートプロジェクトを⼿がける⼩⾦沢健⼈が作品制作を手がけ、群⾺のアートシーンを牽引する rin art associationの原⽥崇⼈がディレクションを行う。

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©Shinya Kigure

前橋をはじめ、かつて全国の夜を彩った廃材ネオンが、このたび小金沢健人により新たなアートに生まれ変わった。クラウドファンディングを介して実現した本プロジェクトは、当初500万円の目標に対し、75名の個人と企業より6,431,000円の支援を達成した。馬場川通り沿いにはクリスマスイルミネーションも設置し、この冬の前橋の風物詩として街を明るく灯す。

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©Shinya Kigure

⽩井屋×小金沢健人 アートイルミネーション2022「異語交響 漂着のネオン」

ネオン職人がひとつひとつ硝子を曲げてつくった、さまざまな土地の夜を飾ったネオンのかけらが小金沢の手により、白井屋ホテルのパサージュに光の交響曲を奏でている。パサージュの両側に設置された輪ゴムの重なりを彷彿させる彫刻のような作品「RUBBER BAND」が訪れる人を迎え入れ、各地でその役目を終えたネオンのかけらの息吹を体感できる。まるで、新たな音楽を奏でるように異なった言語へと再構築されたネオンは、背景にもエコーするような微妙な光のゆらぎやにじみと共にコラージュのように配置されている。

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©Shinya Kigure

一方、四角い枠に収められたネオンのかけらたちは、躍動感のある絵画のようなコンポジションを成している。パサージュを歩きながら、それぞれのネオン作品、そして窓ガラスに映り込んだ姿など、お気に入りのスポットを探して、自由に鑑賞、そして写真撮影を楽しむことができる。

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©Shinya Kigure

期間中には、白井屋ホテルの1室が小金沢健人のギャラリーに変身。宿泊客だけが楽しめるギャラリーで、作品の購入も可能。客室はアートイルミネーションを鑑賞するための特等席でもあり、両側の窓からの眺めは格別だ。客室内のテレビモニターでは、小金沢健人が新作に取り組む様子も観覧できる。

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©Shinya Kigure

⼩⾦沢健⼈(こがねざわ たけひと)プロフィール

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現代美術作家 京都芸術⼤学⼤学院教授 1974 年東京⽣まれ。武蔵野美術⼤学で映像を学び、在学中よりビデオによる映像作品の発表を始めた。1999 年よりベル リンに拠点を移し、アメリカ、ブラジル、インド、オーストラリア、ギリシャなど世界各国で作品を発表、その独特の映像表現は⾼い評価を獲得した。その後、次第にドローイング、パフォーマンス、インスタレーションと表現領域を広げ、多彩で複合的な作品群 と旺盛な制作活動に裏づけされた多才なアーティストとして知られている。国内では、資⽣堂ギャラリー「Dancing In Your Head」(2004)、神奈川県⺠ホールギャラリー「あれとこれのあいだ」(2008)、丸⻲市猪熊弦⼀郎現代美術館「動物的」(2009)など多数の個展を開催。2018 年開催の「Asian Art Award 2018」では⼤賞を受賞。

アートイルミネーション2022「異語交響 漂着のネオン」開催概要

展示期間2022年11月25日(金)〜12月26日(月)
点灯時間7:00〜24:00
会場白井屋ホテル パサージュ(国道50号線と馬場川通りをつなぐ抜け道)