田中功起著『リフレクティヴ・ノート(選集)』美術出版社より刊行
日本を代表する美術家、田中功起のコロナ禍でのインタビューや書き下ろしを含めた、近年国内外で展覧会カタログ、美術媒体、新聞などへ寄せた16のテキストを収録した『リフレクティヴ・ノート(選集)』が美術出版社より刊行。作品制作の真っ只中において、その過程を振り返りながら、文章を書くことで制作をアップデートしてきた田中が、コロナ禍において、自身の方法論を見つめ直す。アーティストがどのような思考過程を経て作品制作へと向かうのか、そのプロセスを集めた、永久保存版の1冊。日英韓の3か国語表記。
感染リスクを冒しても人々は集まるべきだろうか。集まるという行為は意味を成さなくなってしまうのだろうか。あるいは、集まることは、共に生きることは、何か別の意味を持ち始めているのだろうか
田中功起(はじめにより)
目次
- はじめに
- コロナ禍でのインタビュー
- アイデア・ノート: 距離と観客と感情について
- 移動と共同体についてのノート──ワークショップと撮影と展覧会の合間に(抜粋)
- いかにして共に生きるか: プロダクション・ノート(抜粋)
- ロサンゼルスからミャンマーへ
- 対談1: 毛利嘉孝×田中功起
- 意図の向こうへと導かれる: フー・ファンの思考にふれながら
- 提案としての 「関係性の歴史」
- リフレクティヴ・ノート(《可傷的な歴史(ロードムービー)》について、抜粋)
- 件名: あいちから遠く離れて
- 2015年4月9日 身体的に思考すること
- パフォーマンス以後のパフォーマティヴィティについて
- 配慮の分有、 脆弱さのネットワーク
- 2020年4月29日から6月10日 人生について考えると抽象が気になってくる
- 実現しなかったプロジェクトについての短いノート あとがきにかえて
- あとがきのあと: ともにひとりで キム・へジュ(アート・ソンジェ・センター副館長)
田中功起 プロフィール
1975年栃木県生まれ。2000年、東京造形大学美術科絵画専攻卒業。05年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。09年、文化庁新進芸術家海外研修制度によりロサンゼルスに留学。近年は、映像やインスタレーション、執筆などを通して、人と人との協働に焦点を当てた作品を制作。13年に行われたヴェネチア・ビエンナーレでは日本館代表作家として参加し、「abstract speaking - sharing uncertainty and collective acts(抽象的に話すこと─不確かなものの共有とコレクティブ・アクト)」展で特別表彰を受賞。主な国際展にミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)、リヴァプール・ビエンナーレ(2016)など。主な著作に『共にいることの可能性、その試み、その記録-田中功起による、水戸芸術館での、ケーススタディとして』(グラムブックス、2016)、『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局、2014)など。
書誌情報
タイトル | 『リフレクティヴ・ノート(選集)』 |
著者 | 田中功起 |
刊行 | 美術出版社 |
仕様 | A5版変形 459ページ |
価格 | 2500円+税 |
ISBN | 978-4568202786 |