みんなのためのデザインから、ひとりひとりのためのデザインへ
朝日出版社は2021年11月27日に『だれでもデザイン 未来をつくる教室』(山中俊治著)を刊行した。デザインとはなにか。授業はこの問いからはじまりますが、私(山中俊治)は、デザインとは、まだよくわかっていない私たち「人間」のことを考えながら、人間と人工物との出会いや関係をより良いものにしていくことだと考えています。(中略)デザインは、産業の片隅だけで生きる知恵ではありません。私たちの生活をちょっと効率よく、少し豊かな気持ちになるよう組み立て直す知恵でもあります。
目次
- はじめに
- 1章 デザインって、なに?
- 2章 言葉としてのスケッチ
- 3章 「っぽい」リアルさを描く
- 4章 分解と観察スケッチで「作り方」をたどる
- 5章 アイデアのヒントは観察の中に、他人の頭の中に
- 6章 使いやすいものを作る
- 7章 なにを、どうして作るのか
- 8章 形にして、共感を集めて、アイデアを育てる
- おわりに
山中俊治
1957年、愛媛県生まれ。デザインエンジニア/東京大学生産技術研究所・東京大学大学院情報学環教授。1982年、東京大学工学部産業機械工学科卒業後、日産自動車デザインセンター勤務。1987年よりフリーのデザイナーとして独立。1991~94年まで東京大学助教授を務める。1994年にリーディング・エッジ・デザインを設立。2008~12年、慶應義塾大学政策・メディア研究科教授。2013年4月より東京大学教授。デザイナーとして腕時計から鉄道車両に至る幅広い工業製品をデザインする一方、研究者としてロボットや義足の開発に携わる。
2001年にドイツiF Design Award、2004年に毎日デザイン賞受賞、2006年グッドデザイン賞金賞受賞、2021年A' Design Awardにて最高賞Platinum受賞など。2010年、「tagtype Garage Kit」がニューヨーク近代美術館パーマネントコレクションに選定。主な著書に『フューチャー・スタイル』(アスキー、1998年)、『デザインの骨格』(日経BP社、2011年)、『カーボン・アスリート――美しい義足に描く夢』(白水社、2012年)、『デザインの小骨話』(日経BP社、2017年)などがある。