デレク・ジャーマン没後30年記念新訳復刊
新訳『デレク・ジャーマンの庭』が2024年4月9日(火)に創元社から発売された。約30年ぶりの復刊となる。デレク・ジャーマンはイギリスの映像作家。HIV感染が判明した1986年からイギリス南東部の最果ての岬、原子力発電所にほど近いダンジネスに移り住み、死の直前まで「プロスペクト・コテージ」と呼ばれる小屋と庭を慈しみ、育て続けた。本書はデレク・ジャーマンのエッセイと、彼の友人で写真家のハワード・スーリーが撮影したプロスペクト・コテージのビジュアルブックで、日本語訳版は長らく絶版だったが製版をデジタルリマスターし、デレク・ジャーマン没後30年記念として新訳復刊された。訳者は著書『庭のかたちが生まれるとき』やジル・クレマンの訳書『動いている庭』が高評を博した、美学者で庭師でもある山内朋樹。
「庭の生と死が、いつしか「ぼく」の生と死を映し出す——」
デレク・ジャーマンの庭は、ただ草花が美しいだけの庭ではない。貝殻、流木、石や古道具、拾い集めたガラクタで作った彫刻、自生していた植物などに、彼自身が植えた低木や花を組み合わせた風景で構成されている。こうした彼の詩的でクィアな庭づくりは、いまも後世に多方面で大きな影響を与え続けている。
デレク・ジャーマン / Derek Jarman
1942年ロンドン生まれ。画家、舞台美術家、映像作家。1960年代にはフレデリック・アシュトンと担当した『ジャズ・カレンダー』(1968)やケン・ラッセルと担当した『ザ・レイクス・プログレス』を含む舞台のセットと衣装デザインを手がけた。映像媒体での作品は70年代から90年代にわたる。この期間に『ジュビリー』(1977)、『カラヴァッジョ』(1986)、『ザ・ガーデン』(1990)、『ブルー』(1993)などの映画を制作した。著書に『ダンシング・レッジ』(1984)、『デレク・ジャーマンのカラヴァッジョ』(1986)、『ザ・ラスト・オブ・イングランド』(1987)のほか 、自伝的な『モダン・ネイチャー』(1991)がある。1994年エイズ合併症により逝去。
山内朋樹(やまうち・ともき)/ 訳者
1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭や美術作品をはじめとする制作物のかたちの論理を、物体の配置や作業プロセスの分析から探究している。著書に『庭のかたちが生まれるとき』(フィルムアート社、2023年)、共著に『ライティングの哲学』(星海社、2021年)、訳書にジル・クレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。
『デレク・ジャーマンの庭』書籍概要
著者 | デレク・ジャーマン |
写真 | ハワード・スーリー |
訳 | 山内朋樹 |
判型 | B5判変型 |
ページ数 | 148頁 |
定価 | 4,180円(税込) |
発売日 | 2024年4月9日(火) |
発行 | 創元社 |
URL | https://tinyurl.com/muy78j4p |