ブラジル サンパウロにてデジタルインスタレーションを展示する「不可視なモノ_ ライゾマティクス」展が開催
ブラジルのサンパウロにあるジャパン・ハウス サンパウロでは、演出技術の専門家集団ライゾマティクスを紹介する「不可視なモノ_ライゾマティクス」展が、2022年7月12日から10月2日まで開催されている。ライゾマティクス及び主宰の真鍋大度がこれまでに発表してきた3作品に加え、多様なコラボレーションやクライアントワーク、R&Dや作品表現に関する記録映像、オリジナルデバイスの実物展示、貴重な資料展示や試行錯誤した舞台裏(トライアル&エラー)を紹介する、南米で初めてのライゾマティクスの個展である。
展示紹介
Perfumeなどの著名アーティストの舞台演出や、リオ五輪閉会式でのVRとCGを融合したライブパフォーマンスなどで知られる総合クリエイティブ企業、ライゾマティクス。本展では、これまでにライゾマティクスと真鍋が紹介してきた3作品(Sensing Streams 2022 – invisible, inaudible、Optical Walls、“Gold Rush” – Visualization + Sonification of Opensea activity)が展示される。
Sensing Streams 2022 – invisible, inaudible(坂本龍一+真鍋大度)
人間がふだん知覚することのできない「電磁波」をセンシングし可視・可聴化する作品。来場者が実際にデバイスを使い、電磁波の周波数や波長を変えることで作品を体験することができ、来場者自身のスマートフォンなどその場に存在するデバイスの電磁波によってリアルタイムで映像や音が変化していく様子を目の当たりにすることができる。2014年の札幌を皮切りに、光州(韓国)、北京(中国)、オランダ、東京と巡回し、サンパウロは6都市目になる。
Optical Walls
アーティスト坂本洋一と三井化学とのコラボレーションによる作品。スモークで満たされた暗闇と LED に取り付けられた円形の特殊なレンズに光が通過することにより、何もない場所に光で区切られた空間を創出。拡散光である LED の光がレンズを通して直線光に変換され、光の壁が浮かび上がり、ゆっくりと動いていく。普段、私たちが複雑だと思いがちな多くの自然現象から<光>に焦点をあて、レンズによって自然現象とその法則を表現し、万華鏡のような眩い光のエフェクトを生むインスタレーション作品。
“Gold Rush” – Visualization + Sonification of Opensea activity (真鍋大度)
デジタル領域、特にNFT(代替不可能な暗号資産)とCryptoArt(クリプトアート)と呼ばれるデジタルアートにフォーカスを当て、“現代のゴールドラッシュ”における課題や今後のヴィジョンを問いかける作品。経済、テクノロジーとアートの領域を横断するこの作品は、アメリカ人アーティストBeepleとして知られるマイク・ウィンケルマンの“エブリーデイズ : 最初の5000日間”が約6935万ドル(約75億円)で落札されたNFTの歴史的瞬間とも言われる2021年3月11日の前後24時間のデータを元に、機械学習技術(Convolutional Neural Network, t-SNE)、データビジュアリゼーションを用いて振り返った映像インスタレーション。
コーナー「Rhizomatiks Archive & Behind the Scenes」
2006年設立から2021年にかけて「ライゾマティクス」が日本国内外で展開したコラボレーション作品、プロジェクトや研究を紹介。映像、オリジナルデバイス(ドローンやその他の機材)や資料を通して、トライ&エラーからユニークな作品を生み出しているライゾマティクスの舞台裏を垣間見ることができる。
さらに、 ライゾマティクス 真鍋大度が本展のために作成したSpotifyの音楽プレイリストで、日本にいながら展示の世界観を体感できる。
Spotify : 'O que não se vê ' ( 和訳:不可視なモノ)
「不可視なモノ_ ライゾマティクス」展 概要
会期 | 2022.07.12―2022.10.02 |
会場 | ジャパン・ハウス ・サンパウロ |
時間 | 火~金曜日 10:00~18:00、土曜日 9:00~19:00、日曜日・祝日 9:00~18:00 |
入館料 | 無料 |
ウェブサイト | https://bit.ly/3pHEjXX |