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カスタムメイドのタイルが持つ壮大な可能性を表す

TAJIMI CUSTOM TILESは、デザイナーのロナン&エルワン・ブルレックを迎え、2022年6月にミラノデザインウィークで発表した作品に新たな作品を加えて、2022年10月29日から11月6日まで東京でインスタレーションの発表を行う。ロナン&エルワン・ブルレックは、「押出成形」というタイルの製造技術と釉薬による豊かな表現にフォーカスし、グラフィカルなコンポジションが美しいインスタレーションを作り上げた。

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展示されるオブジェはタイルとして制作されたが、従来の考え方を超えた視点をもたらし、カスタムメイドのタイルが持つ壮大な可能性を表すことを目指している。

長い歴史と伝統に根付いた多様性のあるものづくり

岐阜県南部に広がる多治見市。良質の粘土鉱物を大量に含む豊かな土壌を有するこの一帯では、およそ1300年前に焼き物文化がはじまる。その長い歴史のなかで日本を代表する陶磁器、美濃焼が誕生したことは、多治見周辺域のものづくりの可能性を大きく引き伸ばしていく。こうした背景のもと20世紀初頭に始まったのが「タイルづくり」。多治見では現在でもタイル製造が盛んに行われ、その総合生産量は全国1位。モザイクタイルに至っては国産の9割をこのエリアが占めている。基材のみならず、素材、成形、釉薬にいたるまで、さまざまな形態、特性のメーカーが多角的に多治見のものづくりを支えている。

バラエティ豊富な製造手法で生み出される多治見のタイル

釉薬の種類や焼成方法によって、バラエティに富んだ製造手法が存在するのが多治見タイルの特徴。手作りのような風合い、温もりと深みを感じさせる色みと質感が特徴的な多治見タイルは、まさに日本の美の象徴とも言える。多治見ではトンネル窯やシャトル窯を使用し、内部温度を変動させながら20時間以上かけて焼成する特性が、タイルに独自で生き生きとした表情を与えている。それに加え、酸化焼成とは対照的な還元焼成を特殊な釉薬と組み合わせることで、日本の伝統的な焼き物(陶芸)にも似た特徴的な風合いと色みを実現することができる。

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「Sosei」というタイトルは、いくつかの成分・要素が集まって全体を組み立てることを意味する日本語の「組成」から名付けられた。多治見特有のタイルの製造技術である押出成形技術と、透明感や奥行きのある釉薬の表現の豊かさを生かすデザインと色彩とフォルムによるグラフィカルなコンポジションを楽しめるオブジェのようなタイルとなっている。多治見とは、いわば様々なフレーバーが溢れ出るお菓子屋さんのようなもの。黄色、茶色、ピンク…。それは花火のようでもあり、歓喜とともに爆発する。それを使って遊ぶ楽しみは言葉にできないほどだ。

ロナン&エルワン・ブルレック

ロナンとエルワン・ブルレック

フランスのデザイナー。兄弟はブルターニュのカンペールでそれぞれ1971年と1976年に生まれ、1999年より協働している。インダストリアル・デザインから工芸作品まで、大量生産品から研究活動、そしてオブジェから公共空間まで、彼らの創造活動は様々な表現領域をカバーしながら、少しずつ我々の生活に浸透してきた。キャリアは国際的な企業や、ヨーロッパから日本に至るあらゆる地域で代々受け継がれてきた技術を持つ職人たちとのコラボレーションによっても特徴づけられる。様々な研究活動により世界の名立たる博物館との協働も実現している。

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Ronan&ErwanBouroullecポートレイト

TAJIMI CUSTOM TILES

日本の一大タイル産地の多治見で、2020年にダヴィッド・グレットリのクリエイティブディレクションのもと、エクシィズが立ち上げ、フルカスタムでタイルの製作を手がけるブランド。1300年にわたり続く焼き物の伝統と歴史の中で、多治見には数々の技が生まれ継承され、現在の多治見の最大の特徴である多様性のあるものづくりを実現している。TAJIIMI CUSTOM TILESはきめ細やかなコミュニケーションと多治見の技を集結して、世界中の建築家やデザイナーに向け、オリジナルのサイズ、形、色、質感のフルカスタムタイルを制作している。

David Glaettli(ダヴィッド・グレットリ) / クリエイティブ・ディレクター

1977年生まれ、スイス・チューリッヒ出身。アート、マスコミュニケーションと日本語を学び、イタリア・ミラノとスイス・ローザンヌのECALでインダストリアルデザインを学ぶ。チューリッヒでプロダクトやインテリアデザインのプロジェクトに従事後、2008年に大阪の柳原照弘主催のデザインスタジオに参加。2013年、京都に拠点を移しGlaettli Design Directionを設立。2021年にチューリッヒへ移りStudio David Glaettliをオープン。多摩美術大学非常勤講師。主なクライアントにカリモクニュースタンダード と SUMIDA CONTEMPO-RARY、TAJIMI CUSTOM TILES、MINO SOILなど。

エクシィズ / 運営

1994年、岐阜県多治見市に創業した総合タイルメーカー。「母なる大地に感謝をこめて。」をモットーに、天然素材と職人の技にこだわり、オーダーメイドのタイル制作や、タイルを中心とした建材の輸出入を行なっている。自社内に多彩なタイプのタイルサンプルを製造できるラボを併設すると同時に、多治見一帯の複数のタイルメーカーと協働し、安定した生産環境を保持。また、リサイクルタイルの生産の仕組みを開発するなど、環境の持続可能性を高めるなどの取り組みも積極的に行なっている。

「TAJIMI CUSTOM TILES TOKYO 2022 An installation by Ronan & Erwan Bouroullec」

会期2022年10 月29日から11月6日まで
時間11:00 ~ 18:00
会場LICHT(東京都目黒区青葉台 3-18-10 カーサ青葉台 2F)