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森田恒友展 「自然と共に生きて行かう」概要

埼玉県立美術館は森田恒友展 「自然と共に生きて行かう」を2020年2月1日(土) から3月22日 (日)まで開催する。画家の森田恒友（1881-1933）は埼玉県熊谷で生まれ、明治末から昭和初期にかけて活躍。はじめは洋画家として出発し、東京美術学校(現東京芸術大学)に入学後、日本絵画のロマン主義的傾向を代表する画家青木繁から影響を受けたロマン主義的な作品を描いた。1906年東京美術学校卒業後は『東京パック』などの雑誌や新聞に挿絵や漫画を描き、美術文芸雑誌『方寸』の創刊にも関わる。1914年にヨーロッパに渡欧。セザンヌに深く傾倒して、セザンヌの影響を強く受けた作品を制作するようになる。しかし、森田が翌1915年に帰国した後、国内各地を旅する中で、水墨表現が日本の風景に適していることを見出した。そして後半生には、森田は柔らかな筆使いで旅先の風景や武蔵野の自然をとらえた日本画を発表するようになる。

「自然と共に生きて行かう」という言葉は、森田恒友自身が残した言葉。最晩年には、森田は自然に向き合ったときに感じる喜びや寂しさを包み込むような、大らかで澄み切った画境に達する。本展では、初公開を含む森田の洋画と日本画による主要作品、雑誌、スケッチブック、書簡、装幀本等の資料約250点を通じて、森田恒友の初期から晩年にいたるまでの変化や足跡を辿り森田恒友の全貌に迫る。