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食と排泄から「循環」を問い直す

The Chain Museumが運営するギャラリー「アートかビーフンか白厨(パイチュウ)」で、グループ展「イン アンド アウト アンド」が2026年7月24日から8月29日まで開催される。本展はアーティスト・保良雄による企画展で、食べることと鑑賞することが共存する空間を舞台に、「食」「排泄」「代謝」を大きな循環の視点から捉え直すことを試みる。会期中にはトークイベントや特別コース、染色ワークショップも実施される。本展では食やアート、染色、環境研究など異なる領域で活動する6名が参加。作品展示を通して、ギャラリーを単なる鑑賞空間ではなく、身体や自然、都市環境とのつながりを体感する場へと変化させる。adf-web-magazine-in-and-out-and-1

「入って、出て、また」――循環を見つめる展覧会

展覧会タイトル「イン アンド アウト アンド」は、食べ物が身体へ入り、代謝や排泄を経て再び世界へ戻っていく循環のプロセスに着目したもの。展覧会ステートメントでは、食べ物が身体の中で変化し、「食べ物」から「排泄物」へと姿を変える過程を辿りながら、それを汚れとして切り離すのではなく、大地や都市インフラを介して再び社会や自然へ還元される循環として捉え直す視点が提示される。企画を手掛けた保良雄は、テクノロジー、生物、人間、無生物を対等な存在として扱い、それぞれが複雑に関わり合う関係性をテーマに制作を続けてきた。本展でもアートと食を結び付けながら、人間がより大きな循環の一部であることを身体感覚から問い掛ける。

アートと研究、食文化が交差する6名が参加

環境研究や料理、植物染色、インスタレーション、写真表現など、それぞれ異なる実践を持つ参加者が、「循環」という共通のテーマを多角的に提示する。また、展示作品の一部はArtSticker限定で販売される。

参加アーティスト プロフィール

大山 修一 / Shuichi Oyama(総合地球環境学研究所 有機物循環プロジェクト)

世界各地の都市では人が集まり、生活をし、活発な経済活動をつづけ、大量の食料やエネルギーも集まってくる。しかし、都市から出るごみやし尿の多くは利用されることなく、焼却や埋め立て、野積みされている。一方、大規模に森林が伐採され、農地が造成され、土壌が疲弊すると、放棄されており、このまま人類―とくに都市の生活は続いていくのか。この有機物循環プロジェクトは日本とアフリカ5か国(ザンビア、ニジェール、ガーナ、ウガンダ、ジブチ)において、国・地域の個性や個人の消費生活、ごみに対する住民の価値観にあわせ、都市に蓄積した生ごみやし尿を使って、農業生産の向上や劣化した土壌の再生、荒廃地の緑化に取り組み、新しい環境文化の創造をめざしている。adf-web-magazine-in-and-out-and-5

小川 呂美 / Romi Ogawa

フランスのアンティーク生地を扱うメゾン勤務を経て、都内のブーランジェリーで働いたのち独立。ケータリングやグローサリー、生活雑貨などの販売を行う自身のブランド「gather」を主宰。レシピ開発、新店舗立ち上げ等を手がける。都内でギャラリー併設のレストランを5年間運営。ワタリウム美術館内でカフェ「腸内芸術」を運営。2023年よりThe Chain Museumに参画。六本木のギャラリー「アートかビーフンか白厨」にて料理を担当。adf-web-magazine-in-and-out-and-6

橘田 優子 / Yuko Kitta(kitta主宰)

沖縄県北部在住。植物の採取からデザイン縫製まで、物が生まれてから土に還るまでを分断のない一つの流れとして捉え、自然と人を媒介するというコンセプトを軸に衣服や空間の制作を行なっている。

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©︎Shoji Onuma

長嶺 慶治郎 / Keijiro Nagamine

1993年福岡生まれ。現在は京都を拠点にする。2020年パリ国立高等美術学校修士課程修了。 出来事、移動、現場でのリサーチ、再配置を通じ、インスタレーションを制作する。adf-web-magazine-in-and-out-and-8

保良 雄 / Takeshi Yasura

テクノロジー、生物、無生物、人間といったさまざまなアクターを縦軸ではなく横軸で捉え、存在を存在そのものとして認めることを制作の目的としている。2018年にはポートランドのアーティスト・イン・レジデンス「END OF SUMMER」に参加。

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Photo:Kito Natsuko

ルカ・レグリーズ / Lucas Leglise

1992年フランス生まれ。パリ国立高等美術学校(Beaux-Arts de Paris)を卒業。ルグリーズは長年にわたり、写真イメージそのものの物質性と、それが立ち現れる条件について探究を続けている。その多様なプロジェクトは、とりわけアナログ写真のプロセスにおいて、写真が姿を現す瞬間に形を与えることを試みている。adf-web-magazine-in-and-out-and-10

会期中には食や染色を体験する関連イベントも開催

展覧会期間中には複数の関連イベントを開催予定。7月31日には総合地球環境学研究所の大山修一によるトークイベントを実施。8月7日には料理家・小川呂美による特別コース「色を食べる会『赤』」を開催し、保良雄も参加者との対話に加わる。さらに8月22日には、沖縄を拠点に活動する橘田優子による染色ワークショップ「しみしみ」を昼夜2回開催。食事を交えながら、植物染色と循環について考える機会となる。食事、身体、芸術、環境研究が重なり合う本展は、作品を「見る」だけではなく、「食べる」「語る」「体験する」ことを通して、アートとの新たな関係を提案する展覧会となりそうだ。adf-web-magazine-in-and-out-and-2adf-web-magazine-in-and-out-and-3

「イン アンド アウト アンド」開催概要

会期2026年7月24日(金)から8月29日(土)まで
会場アートかビーフンか白厨
URLhttps://tinyurl.com/799c3uvn