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刺繍ミシンによる新たなグラフィック表現

1944年創業の刺繍機メーカータジマ工業と、デザイナー深地宏昌による共同プロジェクトの刺繍作品《HANAITO》が発表された。本作はタジマ工業の刺繍ミシン技術と、深地が取り組むデジタルとフィジカルを掛け合わせたデザインアプローチを融合し、新たな刺繍表現を探る試みである。作品は共創刺繍アートブランド「&T(アンドティー)」より、2026年6月10日から6月12日まで東京ビッグサイトで開催される「インテリアライフスタイル2026」で初公開される。adf-web-magazine-digraph-1

刺繍ミシンによる新たな表現の探求

深地宏昌は数多くのデザインデータの制作と刺繍への変換実験を重ねるなかで、刺繍技法のひとつであるサテンステッチに着目した。サテンステッチは、刺繍ミシンによって平行に縫われた糸が集積することで、立体感や光沢感を生み出し、見る角度によって異なる表情を見せる特徴を持つ。深地はこれを「刺繍ならではのドローイング」と捉え、その特徴を引き出すための独自の刺繍デザインツールを開発した。このツールを用いて、幾重もの直線と微細な揺らぎを持つ線が重なることで花の図案が浮かび上がるデザインを制作。デジタルによって制御された図案は、タジマ工業の刺繍技術によって物質的な質感と表情が加えられている。

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高速で動く刺繍針と適正な機械コントロールで正確に縫われていく

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タジマ工業の刺繍ミシンにより、繊細な図案も美しく再現することができる

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直線と微細なゆらぎのある線が重なることで花の図案が浮かび上が

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サテンステッチの立体感や光沢の美しさを際立たせるデザイン

花から糸へ そして再び花へ

《HANAITO》では、本物の花びらで染色した糸を使用している。刺繍は古代から現代まで花を主要なモチーフとして発展してきた表現であり、本作ではその歴史的な関係性を素材の側面から捉え直している。花びらは染液となり、その染液によって糸が染められ、さらに布の上で花の姿として表現される。作品には、素材が辿ったプロセスそのものが内包されている。

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作品を刺繍するための糸は、生花を使って染色している

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職人の手によって染色された糸。花から煮出した染液で美しく発色する

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インテリアライフスタイル2026で初公開

《HANAITO》は、タジマ工業による共創刺繍アートブランド「&T」から発表され、「インテリアライフスタイル2026」で初公開される。

インテリアライフスタイル2026 開催概要

  • 会期:2026年6月10日から6月12日まで
  • 時間:10:00〜18:00(最終日は16:30まで)
  • 会場:東京ビッグサイト 西展示棟
  • ブース番号:W1-P013

作品情報

  • 作品名:《HANAITO》
  • 刺繍:タジマ工業(&T)
  • デザイン:深地宏昌
  • 染め:Maito Design Works
  • 写真・映像:畔柳尭史

デザイナー 深地宏昌 プロフィール

デザイナー。2015年京都工芸繊維大学大学院デザイン科学専攻修了。2023年に堀川淳一郎とともにクリエイティブスタジオ「DIGRAPH」を設立。コンピュテーショナルプロセスと手を動かす試行を重視しながら、デジタルとフィジカルを掛け合わせたグラフィック表現の研究と実践を行う。「NATURE/CODE/DRAWING」(2022年東京、2023年パリ)、「CODE TO GRAPHIC」(2025年東京)などで自主研究を発表。カンヌライオンズ、ザ・ワン・ショー、ニューヨークTDC賞、D&ADアワードなど受賞多数。

タジマ工業

1944年設立の刺繍機メーカー。刺繍の繊細さと美しさを追求し、AI技術や刺繍DXにも取り組む。2022年にはカナダのソフトウェア企業をグループに迎え、ハードウェアとソフトウェアの両面から刺繍ビジネスの変革を進めている。欧州のラグジュアリーブランドをはじめ、世界各国のメゾンやデザイナーから支持を得ている。