"Kawaii"の歴史や新たな可能性を独⾃の視点から提⽰
アーティスト増⽥セバスチャンによる展覧会「Yes, Kawaii is Art -EXPRESS YOURSELF-」がロサンゼルスのジャパンハウスで2024年5⽉2⽇から11⽉3⽇まで開催される。LAでの作品展⽰は2017年にアートプロジェクト「TIME AFTER TIME CAPSULE」をJANM(Japanese American National Museum)で開催して以来8年ぶりとなり、LAでの個展は初となる。
本展は2021年に⼤阪・北加賀屋、東京・神⽥明神で展開した展覧会「Yes, Kawaii is Art」をベースに、コロナ禍に制作されたVR作品などアメリカ初上陸の作品に加え、副題でもある「EXPRESS YOURSELF」をタイトルに冠した作品も初公開される。90年代から30年間にわたり東京・原宿を中⼼に活動を⾏い、2021年にアメリカに移住した増⽥が⽇本発の価値観として世界でも知られるようになった「Kawaii」について、その歴史や奥深さ、これからの時代を⽣き抜くための新たな可能性を独⾃の視点から提⽰する展覧会となる。
Kawaiiコミュニティとの共同プロジェクトを⽶初展⽰
2020年から21年に京都芸術⼤学ウルトラファクトリーの学⽣と⾏ったリサーチプロジェクトでの成果物を、海外向けにリデザインして海外初公開。現在進⾏形の世界中のKawaiiコミュニティと⾏ったオンラインセッションの様⼦や、その居場所を反映させた世界地図も展⽰する。
また、2021年に上海のPudong Art Museumで初公開されたベルリンのKawaiiコミュニティとの共同制作によるVR作品「Sense Share Bear」もアメリカ初展⽰する。さらに、ベルリン在住のクリエイティブユニット・MORIとコロナ禍に遠隔で制作した⼤きなクマのぬいぐるみを撫でられる作品体験も予定している。⾒るだけではないインタラクティブな体験としてのKawaiiに触れることができる。
Kawaiiと聞いて、何を思い浮かべますか?
愛らしさや可愛らしさ。またはキッチュでカラフルで⼦供っぽいものでしょうか。⼀般的に知られているこれらのイメージは、Kawaiiのごくごく表層的な部分です。
本展で⾔及する「Kawaii」は、若者を中⼼とした⼤衆⽂化・運動体・哲学として約80年の時をかけて独⾃の発展を遂げた新しい価値観のこと。現在、Kawaiiは⼈種・宗教・性別・年齢・国境を⾶び越えて、若い世代の武器あるいは防具、精神的⽀柱、原動⼒となっています。アメリカに移住して3年。僕が⽬にしたのは、⾃由に満ち溢れた華々しい⾵景ではなく、経済的な格差、断絶する社会、ドラッグストアでの略奪、スクールカースト、⼈種 / 性別 / セクシャリティ差別の⽇常でした。
そんな中届いた「Kawaiiが私の精神安定剤なの」「Kawaiiがあるから今、⽣きていられる」という彼らの⾔葉が今回展覧会を⾏う理由です。
⾃分らしさとは何か?これからの時代をどうサバイブしていくのか?
未来を⽣きるヒントが、ここにあります。
増⽥セバスチャン
増⽥セバスチャン プロフィール
1970年⽣まれ。ニューヨーク在住。1990年代前半から演劇や現代美術に関わり、1995年に表現の場としてのショップ「6%DOKIDOKI」をオープン。⼀貫した独特な⾊彩感覚からアート、ファッション、エンターテインメントの垣根を越えて作品を制作。きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」MV美術、KAWAII MONSTER CAFEプロデュースなど、世界にKawaii⽂化が知られるきっかけを作る。
「Yes, Kawaii is Art -EXPRESS YOURSELF-」開催概要
会期 | 2024年5⽉2⽇(⽊)から11⽉3⽇(⽇)まで |
場所 | JAPAN HOUSE Gallery, Level 2 |
⼊場 | 無料 |
URL | https://tinyurl.com/mr4d8rwa |