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鉛筆による細密描写で知られる吉村芳生の初の大回顧展

そごう美術館では鉛筆による細密描写で知られる吉村芳生(1950-2013)の回顧展「超絶技巧を超えて 吉村芳生」展を2020年10月24日(土)から12月6日(日)まで開催する。2007年に森美術館で開催された「六本木クロッシング:未来への脈動」展への出品作が注目を集め、57歳の吉村は遅咲きの画家として現代アートの世界で広く知られるようになった。

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吉村芳生は、1950年に山口県で生まれ、山口芸術短期大学卒業後、広告代理店でデザイナーとして働いた後に、創形美術学校などで版画を学び、版画とドローイングの作家としてデビュー。初期には、新聞紙、金網、風景、身のまわりの物など、日常のありふれた情景をモチーフにして、明暗をオリジナルの手法で描いたモノクロームの作品で、国内外の多くの美術展に入選を重ねる。

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《ドローイング 金網》1977 鉛筆、紙 97.0×1686.7㎝

《ジーンズ》1983 鉛筆、紙 

《ジーンズ》1983 鉛筆、紙

1985年には山口県の徳地に移住し、豊かな自然に囲まれた環境の中で制作活動を続け、鮮やかな色鉛筆で描かれた花がモチーフとして登場するようになり、小さな画面から徐々に大きな画面に咲き乱れる花畑を描くようになる。自画像は、吉村が初期の頃から一貫して描き続けてきたライフワークともいうべき主題で、膨大な数の作品が残されている。モノクロから色へと移行するきっかけとなったインドの自画像をはじめ吉村の代名詞にもなっている新聞と自画像は、その執念に圧倒される。

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《ニューデリーの自画像》1986 色鉛筆、紙

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《新聞と自画像 2008.6.15中国新聞》2008 鉛筆・色鉛筆・水性ペン・墨・水彩、紙

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《未知なる世界からの視点》2010 色鉛筆、紙 ©Yamamoto Tadasu

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《無数の輝く生命に捧ぐ》(部分)2011-13 色鉛筆、紙

2007年以降、精力的に制作を続けていたが、2013年に病のため63歳で亡くなった。本展では、初期から晩年までの代表作を展示して、現代アートのフィールドに確かな足跡を残した吉村芳生の創作活動を回顧する。

吉村芳生展概要

会期2020年10月24日(土)~12月6日(日)※会期中無休 
時間午前10時~午後8時(入館は閉館の30分前まで)
料金一般1,100円、大学・高校生900円、中学生以下無料
会場そごう美術館