芸術制作のプロセスから新人 / 顧客接点 / 上司 / 企画の実践を捉え直す全10ページの資料
組織行動科学®の研究・教育開発を行うリクエストが、AI時代における「アート思考」の背景を読み解く実務資料「AI時代、アート思考の原点」を公開した。新人、営業・顧客接点、上司、企画という4つの仕事における実践と芸術制作とのつながりを、制作記録や学術研究、同社の既公表資料から考察する。全10ページで構成され、PDFも無料公開されている。AIによるアウトプットが日常業務へ浸透するなか、人間が制作や判断の過程にどう関わるのかという視点から、アート思考を捉え直す。
完成物ではなく制作のプロセスに注目
本資料の出発点となるのは、「なぜ、この仕事の進め方をアート思考と呼ぶのか」という問いだ。仕事の流れを描く、途中の案を見せる、相手と対話するといった行為は、一般的な業務改善にも見える。そこで資料では、完成した成果物そのものではなく、そこへ至るまでの制作プロセスに焦点を当てる。最初のメモから完成までの間で、どこで手が止まり、何をきっかけに次の選択が生まれたのか。完成版からは見えにくい判断の経緯を、作家の制作記録と日常業務の双方から読み解いていく。ここで重要になるのは、芸術作品の表現や外見をビジネスへ転用することではない。制作途中で生じる発見や迷い、選択に着目し、それらが次の行動をどのように生み出すかを考えることにある。


芸術制作と日常業務をつなぐアート思考
資料では作家の制作過程を「特別な才能を持つ人」の事例として切り離すのではなく、問題が明確になっていない仕事や、何から始めるべきかわからない状況と重ね合わせる。新人、営業・顧客接点、上司、企画という4つの立場へ視点を移し、自らが行った修正や変更について「どこを直したか」だけでなく、「なぜその選択に至ったのか」を振り返る構成となっている。一方で、芸術と仕事を同一視することにも距離を置く。芸術制作を仕事に役立つ手法として単純化するのではなく、両者の違いを保ちながら、制作のプロセスに存在する共通点を探っている。

AIの出力後に人間は何をするのか
この視点は生成AIを用いた仕事にも展開される。資料が注目するのはAIの性能や利用への賛否ではなく、AIによって案や文章などが生成された「後」に、人間が何を見て、どのような判断を行うかという点。生成されたものを完成品として受け取るのか、違和感や可能性を見つけて次の試行へ進むのか。こうした判断の連続を、芸術制作における制作過程との接点から考察する。全10ページのうち8ページではこうした実践を図解し、残る2ページでは参照した外部研究と同社の既公表資料との関係を整理している。なお同社は、本資料について実践全体の効果を新たな比較実験によって実証した研究報告ではなく、制作記録、学術研究、既公表資料を照合して背景を整理したものとして位置づけている。


リクエスト
組織で働く人の思考と行動を研究する組織行動科学®を基盤に、人材育成や教育開発、組織学習に関する研究・実践支援を行っている。代表取締役の甲畑智康は2003年に東京藝術大学美術学部を卒業後、20年以上にわたり企業の人材育成・組織開発に携わっている。

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