同じ図柄が語る、ひとつずつ違う物語
スペイン出身のアーティスト、オリオール・ヴィラノヴァ(Oriol Vilanova)による個展「Original Copy」が、KOTARO NUKAGA(六本木)で2026年8月1日(土)から9月12日(土)まで開催される。ヴィラノヴァは第61回ヴェネチア・ビエンナーレでスペイン館の代表作家として国際的にも高評価を得ている。日本初個展である本展では、ポストカードを用いた新作を展示する。
同じ絵なのに、なぜか一枚ずつ違って見える——。20年以上にわたり蚤の市や古書店を巡り、世界中で見つけたポストカードを集め続けるヴィラノヴァ。大量に複製されたはずのイメージは、住所やあて名が書き込まれ、どんな時間を旅したかによって「たった一枚の物語」へ変わっていく「オリジナル/コピー」の両義性を持つようになる。無数に刷られ、人の手から手へと旅を重ねてきたささやかな印刷物は、いま私たちのまなざしに何を映し出すのか。
ヴィラノヴァが参加した第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展のスペイン館での展示では、ヴィラノヴァが20年以上かけて蚤の市などで集めた5万枚以上のポストカードで会場の内部空間を埋め尽くすイマーシブな大規模インスタレーションを展開した。一方、本展では「禅」の精神性や「侘び寂び」を意識したかのような、ギャラリーの壁面上で余白を重視した抑制的な構成がとられる。
本展のキュレーションは、「サラリーマン・コレクター」として400点超の現代アート・コレクションを築き、ARTnews「Top 200 Collectors」にも名を連ねる宮津大輔が手がけている。
オリオール・ヴィラノヴァ
1980年、スペイン・マンレサ生まれ。バルセロナのラモン・リュイ大学ラ・サリェ校建築学部を卒業。現在はブリュッセルを拠点に活動する。
ヴィラノヴァは、イメージの収集とドキュメンテーションを軸とした制作手法に基づき、作品を視覚的資料のアーカイヴ、あるいは百科事典として提示し、過去に対する一義的な読解を脱構築してみせる。作家がリサーチする場所としてもっとも好んでいる蚤の市をくまなく探り、ポストカードのコレクションを構成し、自身の制作するインスタレーションやパフォーマンスの思想的な素地を与えてくれる「思考する機械」を作り出そうとしている。
2019年には米国の主要美術館初個展となるバッファローAKG美術館での「Anything, Everything」、ヌーヴォー・ミュゼ・ナショナル・ド・モナコで個展「Unecollection peut en cacher une autre」を開催した。2022-23年にはクンストムゼウム・ボーフムにて個展「No hiding place is completely safe」、2023年にはKOTARO NUKAGAで二人展「Economy and Love」に参加した。2025年にはポンピドゥー・センター・メスでグループ展「Copyists – In an exceptional collaboration with the Musée du Louvre.」に参加、2026年には第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展のスペイン館代表として、アートプロジェクト「Los restos」を発表した。コレクションとして、バッファローAKG美術館、バルセロナ現代美術館(MACBA)、グラン・オルニュ現代美術館(MACS)、マトハフ・アラブ近代美術館等に作品が収蔵されている。
オリオール・ヴィラノヴァ個展「Original Copy」開催概要
| 会期 | 2026年8月1日(土)~9月12日(土) |
| 時間 | 11:30~18:00(火~土) |
| 会場 | KOTARO NUKAGA(六本木) |
| URL | https://tinyurl.com/yzxtp7cm |

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