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フィクションの標本としての「ニケ類」をめぐるコラージュ的実験

biscuit galleryでは現代美術作家・辻凪彩による個展「nekis」が2025年10月18日から11月2日(日)まで開催されている。辻にとって2回目の個展となる本展は、biscuit galleryでは初の開催。これまで発表されてきた“nekisシリーズ”を軸に構成され、作家独自の視点によるフィクションと観察の交差点が浮かび上がる内容となっている。adf-web-magazine-nagisa-tsuji-nekis

「nekis」は「サモトラケのニケ」を両生類や鳥類のように一つの“種”として捉えたシリーズであり、作家はそれを<ニケ類>と命名。屋外での撮影や採集、標本化といった行為を通して、あたかも生物学的調査のような視点から制作を行っている。展示される作品には、採集した“個体”を標本化した紙片と、彼らが発見された風景(として提示される)写真が添えられており、実在と虚構、記録と創造のあわいが丁寧に組み上げられている。作家自身の言葉によれば、「この標本は架空の生物"ニケ類"を鑑賞する物であると同時に、コラージュというものがどういった物質のレイヤーなのかを観察できるものでもある」という。細い針に支えられた紙片は、今にも飛んで行ってしまいそうなほど軽く、落とす影もまた不確かで曖昧だ。異なる時間と場所から集められたイメージが、ひとつのパネル上で重なり合い、存在しないはずの“種”がそこに立ち現れてくる。

辻凪彩(つじ なぎさ)プロフィール

東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に在籍中のアーティスト。写真やコラージュ的手法を取り入れた作品を制作し、フィクションと記録のあわいをテーマに独自の視覚表現を展開している。主な展示歴として、2025年にbiscuit galleryで開催された個展「nekis」、2023年には72Galleryでの「LANDSCAPE」展、大丸東京店での「Composition of Delicious」、および「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2023」への参加がある。受賞歴には、2023年のIMA next “OPEN CALL”ショートリスト選出、久米桂一郎奨学基金の受賞、2022年の「T3 STUDENT PROJECT」グランプリ受賞、ならびにシェル美術賞入選が含まれる。

辻凪彩 個展「nekis」開催概要

会場biscuit gallery
会期2025年10月18日(土)から11月2日(日)まで
時間12:00〜19:00
休廊月・火曜
入場無料
URLhttps://tinyurl.com/5a49z7u5