焼成を得て残るものが、がらんどうな器「Empty Vessel」
安永正臣の新作彫刻個展「EMPTY VESSEL」が2024年5月11日(土)から6月16日(日)までギャラリー85.4で開催される。安永は三重県伊賀市を拠点とするアーティスト。過去に類を見ない技法で物理的にそして哲学的に自身の表現の追究を続け、釉薬、石、ガラス、モザイクタイルなどで造られたアッサンブラージュとも取れる作品で、見る者を共感と未知の世界へ誘う。
安永にとって、作品制作の過程で自らの手元を離れ物質の変化が起こる焼成という行為こそが最も重要な行為であり、探究の核となった。重力に反し造形された像は、焼成の過程で熱と重力により物質が変容し、その姿を変えていく。その様は人工物から自然へ還元するプロ セスであり、同時に自我の消失を物語る。築かれた物質と想いは熱のなかで溶けて混ざり合い、焼成を得て残るものは空虚でがらんどうな器、それが本展タイトル「EMPTY VESSEL」てに込められた意味合いである。
安永は1982年に電力会社の技術者の父と、敬虔なクリスチャンの母のもと⻑男として大阪に生まれ、6歳で三重県に転居。17 歳の時に大阪産業大学のオープンキャンパスで星野曉の作品と出会い、その異様さに衝撃を 受け、星野のゼミに所属し直接教えを受けた。卒業後、伊賀に移り住み造形作品を制作するかたわら、 器作家としても活動し、その際に行っていた薪窯での焼成が現在の焼成理論に繋がった。
安永正臣新作個展「EMPTY VESSEL」開催概要
会期 | 2024年5月11日(土)~6月16日(日) |
時間 | 12:00~19:00 |
定休日 | 水曜 / 不定休 |
会場 | Gallery 85.4 |
URL | https://tinyurl.com/yhf8vdvw |