収益⾦はソロモン・R・グッゲンハイム財団を通じてアート作品修復支援へ
イタリア・トスカーナ州のワイナリー「オルネッライア」のフラッグシップワイン「オルネッライア」。毎年リリースごとにアーティストがラベルをデザインする「ヴェンデミア・ダルティスタ」が開催されることで知られている。第18回目を迎えた今年はセルビアの現代美術家、マリーナ・アブラモヴィッチが2023年ヴィンテージのテーマ「ラ・ヴィタリタ(生命力)」をモチーフにラベルデザインを手がけた。アブラモヴィッチによるデザインの限定ビッグフォーマットボトルはオークションハウス「ボナムズ社」主催のオークションに2026年6月23日(火)まで出品される。収益⾦は全額ソロモン・R・グッゲンハイム財団へ寄贈、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で2027年1月まで開催中の展覧会「グッゲンハイム・ポップ:1960 年代から現在まで」の出品作品の保存・修復のために活用される。
アブラモヴィッチはギリシャ神話のメドゥーサの姿をしたセルフポートレートをモチーフに据え、現代的な視点から再解釈。本来は髪の毛が毒蛇とされているが作品ではブドウの房に置き換え、凄みを「豊穣」へ、恐怖を「生命のエネルギー」へと昇華させた。750ml のレギュラーボトル⽤のラベルには、メドゥーサの姿をした自らをシンプルなドローイングで描き、100本限定の3リットルボトル(ダブル・マグナム)のラベルには、顔を完全にブドウの房で埋め尽くした⽣々しい姿を克明に映しだした。⽣産本数が10本のアンペリアル(6リットル)では、アブラモヴィッチは真のメドゥーサの装いで現われる。連続した⼀連のイメージの中で、アブラモヴィッチの顔は徐々にブドウで覆われ、最終フレームでは、⽚⽅の⽬だけになるという仕様となっている。
作品群の象徴であり1本限定制作のサルマナザール(9リットルボトル)では、⼈間の「五感」と⾃然の「要素」を融合。ボトルの上部には、アブラモヴィッチの代表作『エナジー・ハット』から着想を得た円錐形の⾚いキャンドルを配し、実際に⽕を灯すことができる。ラベルには「⽬を閉じて、ゆっくりとワインを飲み、⾳楽に⽿を傾けて」と刻んであり、このボトルの横には映画『⽢い⽣活』のサウンドトラックを⼿掛けた作曲家、ニーノ・ロータの45回転シングル・レコードが添えられ、芸術と⽣命が交錯する⼀つの「パフォーマンス」へ融合している。
マリーナ・アブラモヴィッチ
1946年ベオグラード生まれ。セルビア出身のアーティスト。現代における最も革新的な芸術家のひとり。1970年代初頭にキャリアを歩み始めて以来、25年以上にわたりヨーロッパおよびアメリカ各地で大規模な個展を開催し、パフォーマンス・アーティストとして初めて制度化された美術館の世界に受け入れられた先駆的存在の一人。2025年「第36回高松宮殿下記念世界文化賞」彫刻部門を受賞。
ヴェンデミア・ダルティスタ
2006年ヴィンテージから開始した「ワインと芸術の融合」。国際的に著名な現代芸術家を選び、そのヴィンテージの特徴を表す一語をモチーフに、芸術作品と限定ラベルを制作を依頼する。毎回、芸術家がビッグフォーマット(ダブルマグナム、アンペリアル、サルマナザール)のスタイリングをし、チャリティー・オークションで販売、収益金は美術館での芸術支援活動に寄付される取り組み。

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