時代と共に変化する「美しいゴミ」を撮影
写真家・菅原一剛による、「リサイクル」と「再生」をテーマにした写真集『DUST MY BROOM2』が赤々舎より2024年7月15日(月)に発売された。菅原は東北にあるリサイクル業界大手の株式会社青南商事の廃棄物処理の現場を目の当たりにし、東北各地から集まるさまざまな「ゴミ」が適切に解体・分類・加工され、新しい価値を持った「製品」として生まれ変わった姿を美しいと感じ、以来20年にわたり東北に通い、現地の風景と共に「ゴミ」を撮影し続けてきた。そうして撮影された作品は2009年に作品集として『DUST MY BROOM』(ソフトバンクパブリッシング)にまとめられ、5000部が完売された。
それから15年。あらゆるもののデジタル化が進み、東北大震災やコロナ禍を経て、人々の暮らしは大きく変わり、さらにリサイクルや環境課題に関する世の中の状況も激変し続ける昨今。時代とともに変化する「ゴミ」を撮影し続け、本書にまとめられた。
本写真集には、リサイクル業界において、90%のリサイクル率を誇る重要なリサイクル素材「鉄(iron)」をはじめ、再生素材として製品化されたプラスチックやペットボトルのフレークなど、リサイクルの今とこれからを伝える作品全96点を収録。様々なゴミの写真たちの最後には、リサイクルの工程の中で徐々に再生素材として生まれ変わっていくプラスチックやペットボトルから生まれる「フレーク」が並び、これからの”再生“の可能性や期待感を表すにふさわしい白い世界が続く。ページを繰るほどに、「黒」から「白」、「静」から「動」を感じさせる構成となっている。
本書は全国の書店のほか、赤々舎オンラインストアやAmazonなどで順次販売される。
作品例
菅原一剛
1960年生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒。早崎治氏に師事後、フランスにて写真家として活動を開始。個展を多数開催するほか映画の撮影監督も手掛ける。1996年に撮影監督を務めた映画『青い魚』は、ベルリン国際映画祭に正式招待作品として上映される。2004年フランス国立図書館にパーマネントコレクションとして収蔵されるほか、韓国のハンミ写真美術館にも作品が収蔵される。2005年ニューヨークのPace/MacGill Galleryにて開催された『Made In The Shade』展にロバート・フランク氏と共に参加。2005年アニメ『蟲師』のオープニングディレクターを務めるなど活動は多岐に渡る。2023年青森県立美術館にて個展「発光」を開催。同年2月『MAKINO 植物の肖像』(北隆館)を刊行し、7月高知県立牧野植物園にて同名の「MAKINO 植物の肖像」展を開催。日本赤十字社永年カメラマン。大阪芸術大学客員教授。
『DUST MY BROOM2』書籍概要
発売日 | 2024年7月15日 |
仕様 | 上製本 226ページ |
定価 | 5,000円+税(税込5,500円) |
URL | https://tinyurl.com/ybdcuabj |