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銀座・GALLERY HAYASHIにて奥天昌樹 個展「PHOTIC LAYER」が開催

銀座のGALLERY HAYASHIでは、アーティスト 奥天昌樹の新シリーズ「putona」作品を展示する個展「Photic Layer」を2022年11月3日(木)から19日(土)まで開催する。これまでアクリル絵具を中心に作品制作を行ってきた奥天だが、新シリーズでは油絵具とアクリル絵具を併用している。6号から60号までの様々なサイズの新作8点が展示される。adf-web-magazine-masaki-okuten_gallery_hayashi_photic_layer-2

本ギャラリーで2回目の個展となる本展では、奥天の最新ペインティング、「putona」シリーズが発表される。アクリル絵具と油絵具を併用し、絵画の積層構造をテーマに制作された本シリーズでは、性質の異なる二種類の絵具が交差し塗り重ねられ、レイヤーを展開していく。繰り返し重ねられたレイヤーとシェイプドキャバスにより構成される奥天の作品は、壁に飾り鑑賞するという絵画の枠組みを越え、一つの「物」としての存在感を鑑賞者に与える。奥天は自身の作品を「造形的なプロセスで絵の具を置いている」と語っている。厚みのある絵の具や薄い層の中にある微細なレイヤー、マスキングテープを用いた層のやりとりは作家が制作の際に行ってきた一手一手 の構成を顧みて鑑賞者が再考し積層構造を追体験できるように仕向けている。幾重にも重ねられた積層構造と、最底層から浮かび上がる白線のコントラストは、有光層 (photic layer) における一筋の光を象徴している。

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putona #18, 2022, Oil, Acrylic on Canvas, W910 × H 1167mm

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putona #18, 2022, Oil, Acrylic on Canvas, W910 × H 1167mm

奥天昌樹 /Masaki Okuten プロフィール

1985年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学卒業。奥天昌樹は美術史におけるコンテクストを画面上から意図的に取り除くこで、絵画が孕んでしまう美術史的な背景や絵画空間内に配置されたモチーフから伝わってしまう過剰な意味性をシャットアウトし、美術史によって解釈される範囲よりもさらに広く普遍的な感覚で人々が触れることのできる絵画表現に取り組んでいる。新生児の甥との出会いから、人間としてのアイデンティティを獲得する前の5歳未満の幼児の落書きを自身の作品に使用する。作品内の真っさらな線は幼児期だったころの他者の落書きのフォルムであり、 マスキングにより画面深部から最前部に表出することで、旧く遥か彼方の洞窟壁画の描き手と筆談するかのように時空を超越しつつ、一つの絵画空間内でそれぞれの存在が繋がっていく。

「PHOTIC LAYER」開催概要

会期2022年11月3日(木)~11月19日(土) ※日曜休廊
会場Gallery Hayashi(銀座)
時間11:00 - 18:00、11月19日は11:00 - 17:00