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4つの展示室で展開する月世界旅行

Fly to the Moon: 月をめぐる5つの物語」が、原美術館ARCで2026年9月12日(土)から2027年1月11日(月・祝)まで開催される。満ち欠けを繰り返しながらも、見上げればいつも規則正しくそこにあり、静かに夜道を照らす月。本展は「月」をテーマに制作された5つの作品を中心にその周辺をめぐる。秋のひととき、4つの展示室で展開する月世界旅行が展開する。

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出品作家

現代美術

アニッシュ・カプーア / アンディ・ウォーホル / エドワード・ルシェ / ジム・ダイン / ジョナサン・ボロフスキー / トム・ウェッセルマン / ピーター・スタンフリ / ロイ・リキテンシュタイン / ロバート・ラウシェンバーグ / 崔在銀 / 荒木経惟 / 磯崎新 / 今井俊満 / 内倉ひとみ / 倉俣史朗 / 斎藤義重 / 白髪一雄 / 菅井汲 / 束芋 / 堂本尚郎 / 奈良美智 / 蜷川実花 / 野口里佳 / 野村仁 / 三島喜美代 / 宮脇愛子 など

古美術作品

伝 小栗宗湛《月に猿猴図》/《武蔵野図屏風》/ 狩野常信《月夜山水図》/《近江八景料紙箱・硯箱》/《月に梅蒔絵短冊箱》など ※古美術は会期半ばで展示替えあり

見どころ

ロバート・ラウシェンバーグ《ブースター》(1967年)とポップアート

1960年代より、アメリカ合衆国航空宇宙局(NASA)による有人宇宙飛行計画はソビエト連邦と競いながら推し進められ、国民もまたこの話題に沸いていた。日常生活の中にあふれるイメージや取るに足らない出来事に目を向けるポップアートの旗手たちも、急激に現実味を帯びてきた「月」の存在に注目することに。ラウシェンバーグ自身のレントゲン写真に、ドローイング、作品、当時の新聞記事の切り抜きや電動工具、そしてその年の天体運行図を重ね合わせた版画作品《ブースター》を中心に、アメリカのポップアート作品の数々が紹介される。

野口里佳《潜る人》(1995年)と日常に潜む光の痕跡

酸素ボンベを背負う影のようなシルエットの人物を目撃し、後を追った野口は、そのダイバーの姿が「月にゆく人のよう」に見えたと語った。このセクションでは「生」の生々しさと、そこから切り離せない「死」を見つめ続けた荒木経惟の作品などを併せて展覧する。

菅井汲《月》(1957年)と日本のアンフォルメル

菅井汲は1952年に渡仏し、アンフォルメルの影響を受けながらも、日本の古代を意識した東洋的な主題をプリミティヴな抽象で表現した作品を発表し、パリの画壇に強いインパクトを与えた。同じくフランスで活躍した今井俊満など、日本人による1960年代の抽象画が展示される。

倉俣史朗《How High the Moon》(1986年)と浮遊する家具

倉俣史朗は早くから新しい素材や加工に着目し、アクリル、ガラス、アルミニウム、スチールメッシュなどを用いて革新的な作品を発表した。ジャズのスタンダードナンバーから引用された《How High the Moon》(月はなんて高いところにあるのでしょう)の素材は建設現場などで用いられることの多い無骨なエキスパンドメタルだが、倉俣らしい浮遊感と、儚さ、そして凛とした佇まいを感じさせる。

伝 小栗宗湛《月に猿猴図》(室町時代)と 古今の月の表現

日本の画壇では、猿が水に映った月を取ろうとして木に登り、枝が折れて水に落ちるという仏教の規律集に由来する《猿猴捉月》を題材にした作品が多く描かれてきた。この画題には「身の程をわきまえろ」という教訓が含まれるが、本作では、一匹は水面に映った月をうっとりと眺め、もう一匹は無邪気に、夜空に輝く月に思わず手を伸ばしてしまったようにも見え、ユーモアと情緒を画面に湛えている。

原美術館ARC

現代美術の専門館である原美術館(東京・品川。1979年開館、2021年1月閉館)と別館ハラ ミュージアム アーク(群馬・渋川。1988年開館)を2021年4月に統合した美術館。青い空と深い緑に抱かれた豊かな環境での美術体験を特長としている。収蔵作品「原美術館コレクション」は、運営母体である公益財団法人アルカンシエール美術財団理事長の原俊夫が財団設立時から収集した、1950年代以降の世界の現代美術コレクション。抽象表現主義やポップアートなど、20世紀美術を彩った巨匠の絵画や彫刻から現在のアートシーンで活躍する作家の写真や映像作品まで、多種多様な表現を網羅している。

建築はプリツカー賞を受賞した磯崎新が手がけた。榛名山の峰々と呼応するピラミッド型の屋根が印象的なギャラリーAと、前庭に向かって両翼を広げるギャラリーB・Cは、現代美術作品が映える開放的な空間となっている。一方、滋賀県・三井寺(園城寺)の旧日光院客殿の書院造に想を得た「觀海庵」は、内部のいたるところに名工の技が光る静謐な和風空間。

広々とした庭では、アンディ・ウォーホルやオラファー・エリアソンなど、国内外のアーティストによる屋外作品を鑑賞しながらの散策も楽しめる。

「Fly to the Moon: 月をめぐる5つの物語」開催概要

会期2026年9月12日(土)~2027年1月11日(月・祝)
時間9:30~16:30
会場原美術館ARC
休館日木曜日(12月31日は開館)、1月1日 *2027年1月12日から3月中旬まで冬季休館
URLhttps://tinyurl.com/mup42hus