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建築当時の「庭園芸術」と当館建築の装飾や空間自体についてに理解を深める

東京都庭園美術館にて2023年9月23日(土・祝)から12月10日(日)まで「装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術」が開催する。東京都庭園美術館は1933年(昭和8年)、東京・白金の御料地の一部を敷地として朝香宮邸として竣工。同邸宅内の主要客室の装飾は当時のフランス人装飾美術家アンリ・ラパンによるもの。1925年のアール・デコ博覧会が多大な影響を及ぼしたとされている。

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竣工当時、約一万坪の敷地の庭園部分には、広々とした芝生が広がり、日本庭園、盆栽・花卉園が備わり、鶴や孔雀などの動物たちが闊歩していた。同邸宅内の壁面には、遠景に山々を望む森林や水を湛えた庭園の風景が描かれており、室内に居ながらにして自然の中にいるかのような装飾プランが展開されている。1925年のアール・デコ博覧会において、「庭園芸術」は初めて独立した出品分類として設けられるなど、重要視されていた。造園家のみならず、建築家や装飾美術家も 「庭」を如何に「装飾」するかということに心を砕き、各パヴィリオンの周囲や街路には多様な庭園が造りこまれていた。本展では、博覧会を中心とした両大戦間期のフランスの近代庭園を巡る動向に着目し、古典主義・エキゾティシズム・キュビスム的要素を取り入れて展開していった様について、絵画や彫刻、工芸、版画、写真、文献資料等、約120点の作品から紹介。当館建築の装飾や空間自体についてのより一層の理解を深めることを目指す。

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ガブリエル・ゲヴレキアン 「水と光の庭園」『1925年 庭園』1926年 東京都庭園美術館蔵

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アンリ・ラパン 「セーヴル製陶所館」『1925年 庭園』1926年 東京都庭園美術館蔵

本展の見どころ

1. アール・デコ時代の「庭園芸術」を特集する日本で初めての展覧会
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ロベール・マレ=ステヴァンス「庭園」『1925年 パリ装飾美術博覧会:建築と庭園』1925年 東京都庭園美術館蔵

20世紀初頭、それまで欧州に広く普及していたイギリス風景式庭園に対抗し、フランスでは新しい庭園の造形、理念の構築が目指されていた。造園家のアンドレ&ポール・ヴェラ兄弟は、1910年代に意欲的な著作を通じてこの動向の中心として活動。こうした動きを背景に開催された1925年のアール・デコ博覧会は、庭園を装飾芸術の一分野として捉え、5つあるカテゴリーの1つとして掲げた初めての国際博覧会であった。実験的かつ独創的な庭園が多数発表され、その後の1930年代以降の欧米における近代的な庭園デザインの成立に大きな影響を与えた。本展では、キュビスムやエキゾティシズムの要素を取り入れて発展した庭園芸術について、ガブリエル・ゲヴレキアン、ロベール・マレ=ステヴァンス、アルベール・ラプラド、ル・コルビュジエらの作例を通して紹介する。

2. アンリ・ラパンによる朝香宮邸装飾プランの成立背景を探る
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東京都庭園美術館本館 小客室壁画

フランス人装飾美術家であるアンリ・ラパンの手がけた仕事の中でも、欧州から遠く離れた極東・日本における、皇族邸の室内装飾の仕事は最も大きなものの一つと言える。ラパンは、ルネ・ラリック、レイモン・シュブ、マックス・アングランらと協働してこのプロジェクトに関わり、全体の統括者としての役割を果たす一方で、自らも森林や噴水のある庭園風景を描いた。本展では、ラパンの手によるこれらの装飾壁画を丁寧にご紹介すると共に、これまでの調査・研究では触れられてこなかったラパン自身の著述やブラジルにおける邸宅計画に関する資料等から、朝香宮邸の装飾プランの成立に至るまでの過程や背景について探る。

3. ウインターガーデンにおける特別な空間演出
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東京都庭園美術館本館 ウインターガーデン

「Winter Garden」とは、元々冬の寒さが厳しい北欧や北米において、冬季の植物の生育の場として発展した室内庭園のことを指す。当館の最上部に設けられたウインターガーデンには、温室らしく太陽光を豊富に取り入れるためのガラス窓、植物の世話をするための花台、水道の蛇口や排水溝等が備え付けられている。随所にアール・デコの意匠がちりばめられ、市松模様の大理石とドイツ製鋼管家具との取り合わせが印象的な、モダンかつ魅力的な空間となっている。本展では、この空間用途本来の魅力を引き出すべく、イミテーショングリーンを用いた特別な演出を行う。

「装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術」開催概要

会期2023年9月23日(土・祝)~12月10日(日)
時間10:00 - 18:00 ※入館は閉館の30分前まで
※11/17(金)18(土)24(金)25(土)、12/1(金)、2(土)は夜間開館のため 夜20:00まで開館(入館は19:30まで)
休館日毎週月曜日(ただし10/9は開館)、10/10(火)
会場東京都庭園美術館
料金一般=1,400円/大学生(専修・各種専門学校含む)=1,120円 中・高校生=700円/65歳以上=700円
予約原則、日時指定の事前予約制 ※2023年10/1(日)の開館40周年を記念した入館料無料の日は不要
主催公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館
URLhttps://onl.tw/wCKsp4J