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NYストリートアートの発信地 バワリー・ミューラル

キース・ヘリングやバンクシーはじめ、名だたるアーティストたちが作品を描き続けてきた最も有名な壁、NYのバワリー・ミューラル(Bowery Mural)。現代美術家・松⼭智⼀が昨年秋に壁画を更新した。松山にとっては2019年に壁画を手がけてから二度目となる。

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バワリー・ミューラルの壁画プロジェクトは2008年に始動し、著名なアーティストの手により彩られてきたものの、近年では落書きによって覆われ2022年6月には壁画更新の一時休止が発表されていた。松山はこの状況を変えるムーブメントを起こすべく今回の作品制作を行った。今回、120平方メートルを超える巨大なスペースが一日で生まれ変わるタイムラプス映像が公開された。

松⼭智⼀

1976年岐⾩県⽣まれ、ブルックリン在住。絵画を中⼼に、彫刻やインスタレーションを発表。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異⽂化間での⾃⾝の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。バワリー・ミューラルでの壁画制作(ニューヨーク/⽶国、2019年)や、《花尾》(新宿東⼝駅前広場、東京、2020年)、《Wheels of Fortune》(「神宮の社芸術祝祭」明治神宮、東京、2020年)など、⼤規模なパブリックアートプロジェクトも⼿がけている。近年の主な個展に、「Accountable Nature」⿓美術館(上海/中国、2020年|重慶/中国、2021年)、「雪⽉花のとき」 弘前れんが倉庫美術館(弘前/⽇本、2023年)などがある。

バワリー・ミューラル(Bowery Mural)

NYのBowery StreetとHouston Streetが交わる⾓に位置するBowery Wall。初めてここに壁画を描いたのはキース・ヘリング。1982年、20代でストリートアーティストとして名を知られ始めた頃のことだった。1984年、壁は不動産開発会社 Goldman Propertiesの所有物となり、数ヶ⽉後にはキースの壁画が塗り潰されてしまう。その後20数年にわたり、壁は広告スペースとして使われていた。2008年、Goldman Propertiesのトニー・ゴールドマンが、ギャラリスト/キュレーターとして知られるジェフリー・ダイチとともに、壁画プロジェクトを始動させる。世界中から優れたストリートアーティストが選ばれ、定期的に壁画が更新されていくこととなった。2008年5⽉、キース⽣誕50周年を記念し、キースの壁画を復元するところからプロジェクトがスタート。2009年、ブラジル出⾝の双⼦アーティスOSGEMEOSから、現在の松⼭に⾄るまで、バリー・マッギー(アメリカ)、ケニー・シャーフ(アメリカ)、JR(フランス)、バンクシー(イギリス)ら、30組余りのアーティストが参加してきた。現在ではストリートアートの枠組みを超え、アートスポットとして⾮常に重要な発信地となっている。