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知られざる野外美術の全貌

企画展「天地耕作(あまつちこうさく)初源への道行き」が2024年2月10日(土)から 3月27日(水)まで静岡県立美術館で開催される。天地耕作は旧引佐郡(現浜松市)出身の村上誠、渡兄弟と山本裕司の3人によって始められた美術制作プロジェクト。1988年から2003年まで活動し、木や縄、石や土などを素材に野外で大がかりな作品を制作したが、自身が所有する土地などで発表していたため実際に鑑賞した人は限られる、知る人ぞ知る存在。本展では天地耕作の軌跡を写真作品や豊富な資料で辿る。さらに、未完になっていた2003年の作品プランがおよそ20年を経て静岡県立美術館裏山にて実現される。

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山本裕司《氏神の祠》1988-89年 旧引佐郡引佐町渋川

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「パフォーマンス 《身体遊戯》 での山本裕司」 1994年 旧浜北市姥ヶ谷

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山本裕司 《墳墓-その八》 1997年 フィンランド・ラハティ

見どころ

近年、天地耕作は再評価が進みつつあるが、美術館において個展が開催されたことは未だなかった。本展は美術館では初の個展。写真や資料、新たに発見された映像などにより、活動の全貌を明らかにするとともに、遠州奥三河の伝統芸能に着想を得たインスタレーションを発表予定。また、2003年の未完となっていた野外作品のプランを20年を経て美術館の裏山にて実現させる計画がある。

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村上誠・渡 《産土-その四》 1994年 旧浜北市姥ヶ谷

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村上誠・渡 《産土-その七》 1997-99年 旧引佐郡細江町気賀

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村上誠・渡《山田(一)》1988-89年 旧引佐郡細江町気賀

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村上誠・渡《産土-その二》1991年 旧引佐郡引佐町谷下

天地耕作

「天地耕作(あまつちこうさく)」は、村上誠と村上渡の兄弟と、山本裕司の3名が1988年から2003年にかけて協働で行った美術制作のプロジェクト。彼らの作品は生や死といった根源的なテーマに挑むもので、野外で制作される大がかりなものであり、制作・発表場所は彼らの私有地や採石場跡地、湖畔など。そのため一般的な野外展などに比べるとアクセスや公開期間も鑑賞者も限られ、その活動を知る者は多くはない。

1991年からは、造形物に加えてパフォーマンスが伴うようになった。パフォーマーは、彼ら自身のほか、舞踏家など外部からの出演もあった。2003年、静岡文化芸術大学ギャラリーで「天地耕作、まで」展が開催され、同時期に作品とパフォーマンスの公開を行う一方、非公開の作品制作を彼らの私有地で行った。これが天地耕作としての最後の活動となる。

「天地耕作 初源への道行き」開催概要

会期2024年2月10日(土) ~ 3月27日(水)
時間10:00 ~17:30 (展示室への入室は17:00まで)
会場静岡県立美術館
休館日月曜日(ただし2月12日(月・祝)は開館、2月13日(火)は休館
料金一般1,000 円、70歳以上500 円、大学生以下無料
主催静岡県立美術館/静岡新聞社・静岡放送 
URLhttp://tinyurl.com/34998dpw