サステナブルな木造新築ビル「銀座高木ビル(仮)」が2023年5月に竣工
高木ビルが東京・銀座に建設中の複合商業ビルが、2023年5月に竣工予定だ。地上12階・地下1階、高さ約56メートルで、地下1階〜地上2階に物販店舗、3〜8階にはオフィステナント、9〜12階には飲食店などが入居の予定。このビルの最大の特徴は、飲食店等が入居する予定の9階から最上階12階部分が木造であること。最上部は外壁にも国産(東京都多摩市)のスギ材を使用し、木の箱を載せたようなデザインとなる。昨今、サスティナブルな建材として高層建築においても注目が高まっている「木造ビル」に、いち早く取り組んだ木造新築ビルとなる。
「ハードとしての箱」ではなく「人が集まり、暮らし、コミュニケーションが生まれるもの」として建設される「銀座高木ビル(仮)」。飲食店が入ることを想定している高層階には、食事をしながら銀座の街の雰囲気を感じられる開放的な空間となるよう、バルコニーやルーフトップを設置する。都心のビルでは体感が難しい「木のあたたかみ」を感じてもらい、人が行き交い、集うことで、より豊かな場所にしていくことを目指す。
旧ビルの解体前に行った“不動産×建築×アート”のイベント
この地には、1966年に建てられた「旧有賀写真館ビル(※写真館は2015年に閉館)」があった。老朽化のため、耐震性の観点からビルは2020年5月に取り壊しとなった。同年1月から取り壊されるまでの間、新しい消費者層を呼び込み地域に貢献することと、銀座で古く親しんだ写真館を地域の方に再体感してもらうことを目的に、歴史ある写真館ビル一棟を丸ごと有効活用するプロジェクト「CANBIRTHーキャンバスー」を行った。多くの人にビルを解放することで、アーティストが自由に作品を制作し展示できる空間をつくった「#銀座髙木ビルを解放せよ」は、参加料や入館料などは無料で行った。原状回復が不要な解体前のビルを丸ごと用いて「キャンバス」に見立て、制約を受けることなく、作品の公開制作・インスタレーション・映像・ライブパフォーマンス・トークショー・セミナーなどを行い、アーティストが思いのままに挑戦、成長できる機会を創出することに成功した。
目指すは「相互価値」が生まれる、銀座の商店街
外国人が日本を訪れた際の訪問先として1、2位を争うほど人気の街、銀座。髙木ビルが目指すのは、「歴史ある銀座での多様性」です。ビルに入居するテナントの方たちが相互に関係性と価値を生み出す「商店街」のようなイメージ。「銀座高木ビル(仮)」では、これからの新しい時代に「銀座の幅を広げる一端」となるよう、フロアづくりを工夫していく。
銀座の地で、中小ビルの「持続可能な新しい価値づくり」へ挑戦
昨今、SDGs・カーボンニュートラルへの世界的な動きが活発になる中、サスティナブルな建材として木材への注目が高まっている。日本は、元々森林資源が豊かだが、その整備や木材活用については、国が推進する施策の決定はされているものの、なかなか整備・実例が増えていない状況である。来年5月に竣工する銀座髙木ビル(仮)は、TAKAGIグループのフラッグシップビルとなる。銀座で「木造ビル」へチャレンジし、歴史ある街に多様性を創出していくのが狙いだ。