無印良品のゼロ・プロジェクト-「インフラゼロでも暮らせる家」の実用化に向けて
「無印良品の家」を展開するMUJI HOUSEは、「インフラゼロでも暮らせる家」の実証実験を開始した。「ゼロ・プロジェクト」と題したプロジェクトは、エネルギーや生活水などを既存のライフラインに依存しないモバイルユニットを、移設・組み合わせることでインフラの整わない場所でも自由自在に暮らすことのできる移動式住宅の実証実験である。2023年は、テクノロジーの検証の上、プロトタイプを開発し、実際に生活する人を募って実証実験を行う。その検証を経て、2024年以降「インフラゼロでも暮らせる家」の実用化を目指す計画だ。
プロジェクトの背景と目的
MUJI HOUSEは、「建築費」だけでなく、「燃費(光熱費)」や「環境負荷」までを考えた家づくりが当たり前の社会を目指している。これまでも2011年から室温維持に必要なエネルギー量を計算し、実際にかかる電力
消費量や節約効果がわかる温熱シミュレーションの全棟実施、また2015年より、環境に配慮した高性能な住宅の実現のため、ダブル断熱+トリプルガラスサッシの標準仕様化を行ってきた。本プロジェクトを通じて、「インフラゼロでも暮らせる家」の実用化だけでなく、得られた知見や技術を既存の商品にも反映していくことで、今後住宅のLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)化を進めていく。
「ゼロ・プロジェクト」のコンセプト
ゼロの家 -この家があればなにもいらない-
大きく4つの「ゼロ」を目標として実証実験を行っていく。
- インフラ・ゼロ:エネルギーや水を自ら生成する仕組みをつくることで既存のインフラに頼らない家に
- カーボン・ゼロ:太陽光発電や廃棄物発電などの再生可能エネルギーを活用することで、温室効果ガスの排出を実質ゼロに
- リビングコスト・ゼロ:取得したエネルギーの効率的な利用、廃棄・排泄物の処理コストをかけないことにより、生活に必要なエネルギーコストを実質ゼロに
- 災害リスクゼロ:生活インフラの自給自足とどこにでも移動ができる機能を備えることで、自然災害のリスクを回避
4つのゼロの実現に向けて、社会インフラ領域のイノベーション推進と新産業創出を目指すU3イノベーションズ合同会社や、クリーンなエネルギーをつくる未来の屋根「Roof-1」を開発するモノクローム(とも連携し、今後具体的な実証実験を進めていく。
コンセプト実現に向けた取組み
- プロトタイプの開発:コンセプト実現に向けて、連携する企業とテクノロジーの検証を経てプロトタイプを開発する。
- プロトタイプを活用した生活実装:一定期間開発したプロトタイプで生活いただく方を募集し、実用化に向けての検証を行っていく。
今後のスケジュール
2023年3月 プロトタイプの開発開始 2023年9月 実験スタート 2023年12月 実証実験参加者募集 2024年2月 実証実験経過報告 2024年以降 実用化に向けて検証
※スケジュールは変更の可能性あり