「古木/KOBOKU」
山翠舎が商標登録をしている、戦前に建てられた古民家から得られる上質な木材「古木/KOBOKU」が、2020年4月1日より世界に32ヶ拠点を持つ世界最大のマテリアルライブラリー、“素材”図書館Material ConneXion(NY)で登録・掲載が開始された。
古木は、古民家(戦前に建築された民家)から入手する古材の中でも、上質で立派な古材、いわば”ストーリーのある古材”を「古木」と定義。長野や新潟をはじめとした豪雪地方の古民家で長年の風雪に耐えてきた柱や梁は、その品質において今や入手困難となっている。山翠舎は、2018年3月に古木/KOBOKU の商標を取得し、2019年8月にはFSC COC認証を取得。古木の魅力の一つとして、一本として同じものがない点が挙げられる。手斧を使用し、職人によって一本一本削り出された滑らかな曲線や、人々が暮らしを営む中で長い年月をかけ燻されれ黒光りする古木の表情は、新材では表現しきれない独特の温もりを感じさせる。
Material ConneXionは、世界中から集められた先端素材を検索・閲覧できる会員制ライブラリー。登録素材の選定基準は「革新性」「改良」「用途展開可能」「サスティナビリティ」と定められている。日本では六本木にMaterial ConneXion Tokyoがあり、そこで実際に素材を閲覧できるほか、施設の運営を行うエムクロッシングでは、素材登録のサポートや素材提案コンサルティングも受けることが可能となっている。
山翠舎では10年程前より、古木を内装に使用した飲食店や商業施設の設計施工を行っている。今回マテリアルライブラリーを通じて、世界各国の企業・開発者・デザイナーに古木を発信することで、新しい古木の新しい活用方法が見つ可能性もある。古木が世界に広がることは、日本の空き家問題の解決や、日本の伝統技術を守り・継承することにも繋がると山翠舎は考えている。