アートギャラリーとして設計された歴史的建造物をリノベーション
イタリア・ローマを代表するラグジュアリーブランドのフェンディ(FENDI)は、ニューヨーク、マンハッタンの57丁目角のフラー・ビル(Fuller Building)に新旗艦店をオープンする。2フロアで構成される新旗艦店は、総床面積6,900平方フィート(約641平方メートル)にもおよび、キム・ジョーンズ(Kim Jones)がデビューを飾る2021-22年秋冬ウィメンズコレクションを始め、メンズコレクション、アクセサリー、レザーグッズが店内に並ぶ。
アートギャラリーとして設計された歴史的建造物が、二人のアーティスティックディレクター、キム・ジョーンズとシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)のクリエイティブなコラボレーションにより、他に類を見ないコンセプトのもの生まれ変わり、ギャラリーのアイデアが新時代のビジョンへと作り替えられた。後世に伝えるべき遺産のシンボルとして、この建造物の歴史的なファサードは元々の美的価値観を保存。3フロアを縦に連なり6面のウインドーを飾るシースルーのLEDカーテンは、フェンディが本拠を置く「イタリア文明宮(Palazzo della Civiltà Italiana)」のイメージを表現。ウインドーのテーマは、アイコニックなフェンディのシグネチャーからインスピレーションを受け、フェンディのアーカイブに眠っていたトランクのパーチメントレザー、セレリアのステッチ、新しいモダンなゴールドメタルや、すぐに見分けのつくアイコニックなピーカブー(Peekaboo)バッグのシルエットを、新しい方法で生まれ変わらせた。
店内に入ると、モジュール式の円形シーリングランプのコンビネーションによって強調された吹き抜け中央に吊り下げられた球体のオブジェに目にとまる。ファサードからも見えるガラスのオブジェはユニークな体験を提供する。さらに、鏡張りの通路から2階へと上がると、そこには貴重な「フェンディ・ファースト」バッグの彫刻が展示されている。
インテリアは、「二面性」というフェンディのブランドコードと伝統を際立たせる素材で遊び、工業用セメントの柱や梁大理石、真鍮やスチールのラグジュアリーな仕上げを組み合わせ、カーペットがアクセントとなっている。床と壁は素材を交互に配置することで奥行きを出し、ウィメンズのレザーグッズやアクセサリーを際立たせ、アラベスカートヴァーリ大理石がローマの教会建築を思わせ、壮麗な雰囲気を醸し出している。
2階へと続く大理石の階段を上がると、アイボリーを始めとするナチュラルカラーのソフトな色合いに、温かみのあるゴールドでアクセントをつけたオープンスペースに精巧なイタリアンデザインの家具が配置されている。このエリアにディスプレイされているのは、ウィメンズのレディ・トゥ・ウェア。立体的な真鍮のスライディングドアを開けると、そこは曲線状のアイボリーモヘアの壁とピンクのカーペットによってソフトなコクーンのような雰囲気にデザインされたVIPルームとなっている。
ガラスの壁と光る天井に囲まれたスペシャルラウンジエリアが、フロアでの体験を一層豊かなものにし、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がデザインしたアーカイブのFFロゴで飾られたアイボリーのカーテンで、プライバシーも守られる。2021年春夏クチュールコレクションで使用された舗床材をアップサイクルした大理石のサービングセットがラグジュアリーさを添える。
また、2021年7月21日(水)には公式サイトfendi.comで360°ヴァーチャルストアをオープン。VIPルームなどの限定サービスのほか、スペースのヴァーチャル体験、ウィッシュリストの作成、ライブチャットなど新旗艦店のデザインやショッピングをどこからでも体験できる。