建築家・内藤廣の約半世紀にわたる建築思考を多角的に紹介
「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」展が渋谷ストリームホールで2025年7月25日(金)から8月27日(水)まで開催される。2023年に島根県益田市の島根県立石見美術館(島根県芸術文化センター「グラントワ」内)で開催され、建築ファンをはじめ多くの来場者を魅了した本展覧会が、今回は渋谷の都市を舞台に新たに企画された。3フロアで構成される本展覧会では、建築家・内藤廣の約半世紀にわたる建築思考が多角的に紹介される。
会場には、渋谷駅周辺と島根県益田市街地との対比を直感的に体感できる新作模型をはじめとして、模型・図面・写真・映像など多彩な手法を用いた展示が並ぶ。各作品には内藤の頭の中に宿る“赤鬼”と“青鬼”、そして時には“亡霊(物故者)”による、独特の語り口でユーモアも交えた解説が添えられる。内藤のユーモアたっぷりの語りとともに体験できる、唯一無二の建築展となっている。
なお、既刊の図録『建築家・内藤廣 BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い』(2023年刊、4,290円)に加え、『建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘』がグラフィック社より7月中旬に発売予定。
主な見どころ
- 建築家・内藤廣の思考を体感:「赤鬼」と「青鬼」の視点で全45点のプロジェクトを解説
- 建築家・内藤廣の言説:内藤氏自身が語るインタビュー動画
- 都市の対比:「過疎の益田」と「過密の渋谷」の違いと魅力を模型と映像で表現
- 渋谷の未来を俯瞰:新たに制作した都市模型で、渋谷のまちづくりの全体像を視覚化
展示構成
4階:学生時代から代表作まで
内藤の学生時代の卒業設計(1974年)を皮切りに、代表作である「海の博物館」(1992年)や「牧野富太郎記念館」(1999年)など、1990年代の主要プロジェクトを紹介。
さらに、2001年の東京大学着任以降に手がけた「日向市駅」(2008年)をはじめとする4つの駅舎、そして「島根県芸術文化センター/グラントワ」(2005年)など、2000年代前半のプロジェクトも一挙に展示。また、未公開のインタビュー映像5本も本展覧会で初公開される。
5階:近年作・Unbuilt作品
2006年以降のUnbuilt(実現に至らなかった)プロジェクト8点に加え、「高田松原津波復興祈念公園 国営 追悼・祈念施設」(2019年)など復興関連のプロジェクト4点、さらには「多摩美術大学 新棟・講堂」(2026年予定)など最新プロジェクトを含め、2010〜20年代の9点を紹介。さらに、撮り下ろしのインタビュー映像も上映され、内藤の現在進行形の建築思考に迫る。
6階:都市の対比:渋谷と益田
「渋谷」と「益田」という異なる都市をテーマにした新作模型と映像作品を展示。渋谷では、駅周辺を中心とした約300メートル四方を1/200スケールで俯瞰できる都市模型に加え、「東京メトロ銀座線渋谷駅」(2020年)や、「渋谷駅街区東口二階デッキ」(2012年)、計画中の「西口3階上空施設(仮称)」の1/20スケールの巨大模型を通じて、都市構造の複雑性やダイナミズムを視覚化する。
内藤廣
1950年生まれ。1976年早稲田大学大学院修士課程修了後、フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所(スペイン・マドリッド)、菊竹清訓建築設計事務所を経て、1981年に内藤廣建築設計事務所を設立。2001〜11年東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻にて教授、同大学にて副学長を歴任。2011年〜同大学名誉教授。2023年4月から多摩美術大学学長。主な建築作品に、海の博物館、牧野富太郎記念館、倫理研究所富士高原研修所、島根県芸術文化センター、九州大学椎木講堂、静岡県草薙総合運動場体育館、富山県美術館、とらや赤坂店、高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設、東京メトロ銀座線渋谷駅、京都鳩居堂、紀尾井清堂など。
「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」開催概要
| 会期 | 2025年7月25日(金)~8月27日(水) |
| 時間 | 11:00~20:00 |
| 会場 | 渋谷ストリームホール |
| 料金 | 一般: 1,500円、大学生以下:1,000円、未就学児無料 |
| URL | https://tinyurl.com/35ua5pzv |

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