持続可能性を追求した新作照明プロダクト「ALVIS」(アルビス)

ジェネレーティブデザインを中心にプロダクト設計を手掛けるデザインスタジオ Triple Bottom Lineは、2023年2月7日からストックホルムデザインウィークの一環として開催される「Stockholm Furniture Fair 2023」ストックホルム国際家具見本市に招聘され、持続可能性を追求した新作照明プロダクト「ALVIS」(アルビス)を展示する。ストックホルム国際家具見本市は、家庭や公共の場におけるインテリアプロダクトを中心に毎年2月にスウェーデンで開催される北欧最大の家具国際見本市。3年ぶりの開催となる今年Triple Bottom Lineは、世界中から審査を通過した32のデザイナーのみが出展可能となる「Green House」エリアにおいて招聘デザイナーとしてブースを構え、新作照明プロダクトの展示を行う。adf-web-magazine-triple-bottom-line-alvis-1

“明るさ”とは何かを問いかける照明「ALVIS」

ALVISはTriple Bottom Lineが進めてきた持続可能性に関するリサーチを反映した“明るさ”そのものを最小の要素で構成した照明。デザインとは曖昧な概念に物理的な外観を与える可視化のプロセスを用いてその物の存在意義を問いかけることであるが、ALVISは“明るさ”とは何か?を問いかける。“明るさ”のデザインとは最新の照明技術や拡散材に施された加工技術の難易度などによって体現されるものではなく、照明とそれを取り巻く人々とのコミュニケーションによって紡がれる詩的な体験にあると、デザイナー・柳澤郷司は考えた。adf-web-magazine-triple-bottom-line-alvis-2

今回発表するALVISは有機的な曲線でシームレスに結合され、光と影が互いを分つことなく一つの要素となるように構成。これは“明るさ”がどのような物理的な用途を想起させる形状として定義されればよいのかという命題に対して、華美や複雑な意匠に流れるのではなく、繊細な印象を見た側に与えられるようコントロールするというコンセプトに基づくものである。ALVISは見る人に“明るさ”の在り方と、それによって生み出される空間の在り方を体現するプロダクトとなっている。adf-web-magazine-triple-bottom-line-alvis-3

Triple Bottom Lineの創りだす照明

Triple Bottom Lineは、これまでにミラノデザインウィークにおいてデザインギャラリー「Spazio Rossana Orlandi」(スパツィオ・ロッサーナ・オルランディ)で、“Trans Nature”・“自然”から着想を得て自然界に存在する様々な変数をデザインに落とし込んだプロジェクト「EAU」「Botanical Drip」を発表、アジア圏のデザイナー10組のみが招待されたシンガポール国際家具フェア「Design Star」において「Tranquillum」を発表するなど、多くの照明プロダクトに挑戦している。代表の柳澤郷司が織りなすコンピュテーショナルデザインによって、光と影による物語が作品の1つ1つに映しだされている。

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Botanical Drip

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EAU

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Tranquillum

Triple Bottom Line

英国デザインスタジオ「Therefore Design Consultancy」「Ross Lovegrove Studio」でのキャリアを持つインダストリアルデザイナー・柳澤郷司が、2014年より「Triple Bottom Line」名義にて活動を開始。2020年に合同会社を設立。AIを活用したジェネレーティブデザインを用いて企業・研究所とプロダクト製作や研究開発を行っている。また近年はオートデスクと共にジェネレーティブデザインの普及にも力を入れている。デンソーとの共同開発においてジェネレーティブデザインを用いたプロダクトでグッドデザイン賞を受賞した他、 CES Innovation Award, iF Design Award, Good Design Award等、国内外のデザイン賞多数受賞。