廃楽器がデジタルデバイスに生まれ変わる

島村楽器と越境型クリエイティブ集団「Konel(コネル)」が、廃棄楽器をデジタルデバイスとして生まれ変わらせるアップサイクルプロジェクト「転生楽器」を始動した。今までにない視点で楽器の機能や形状を再解釈し、廃楽器に道具として新たな役割を与え、これからの人と楽器の関係性を探求する。

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島村楽器ではこれまで、楽器アップサイクルプロジェクトとして廃楽器を使用したインテリア製品を制作し、収益を寄贈し子どもたちの音楽教育環境の醸成に貢献する取り組みを推進してきた。この活動に共感したKonelを中心に、プロデューサーやプロダクトデザイナー、アーティストのぺのてあが集い開発に至った。

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製品紹介

廃棄されるはずだったトランペットをPC専用ショートカットキーボードに転生。3つのピストンには好きなショートカットキーを割り当てられ、ピストンを押すだけでデータの保存やプリントアウト、スクリーンショットなどが実行できる。音が鳴らなくなった楽器を捨ててしまうのではなく仕事の相棒として生まれ変わらせ、音楽を奏でるように働くことができる(動画URL)。

 

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Konel

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Konel(コネル)は「妄想と具現」をテーマに、30職種を超えるクリエイター/アーティストが集まるコレクティブ。スキルの越境をカルチャーとし、ブランドデザイン・研究開発・アート制作を越境してプロジェクトを推進している。日本橋・金沢・下北沢・京都の拠点を中心に、多様な人種が混ざり合いながら、未来体験の実装を続けている。主な作品に、脳波買取センター《BWTC》(2022)、パナソニックの共同研究開発組織「Aug Lab」にて共作した《ゆらぎかべ - TOU》(KYOTO STEAM 2020 国際アートコンペティション スタートアップ展)や、フードテック・プロジェクト OPEN MEALS(オープンミールズ)と共作した《サイバー和菓子》(Media Ambition Tokyo 2020)など。自社プロダクトに、オノマトペ(食感)をテーマにした地域素材の優しいお菓子シリーズ《オノマトペのおやつたち》など。

ぺのてあ / 中村優生

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発明家、デザイナー、作家。風景と音と道具を作って暮らしている。風景や音を想像し道具を作り現実にする試みをテクノロジーや文化、物理現象、身体と仲良くなりながら探求している。主な作品、製品に、手のゆらめきで演奏できるアコースティックシンセサイザー「ペノトロン」、生活の模型と鉄道の模型による楽器「電車と街の楽器」、様々な現象をもとに音を再生することのできる音の展示デバイス「Sea」など。これらオリジナルの楽器を用いたライブパフォーマンスや展示活動も行っている。また、様々な企業のためのデザインエンジニアリングも手掛けている。

島村楽器

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島村楽器は「音楽の楽しさを提供し、音楽を楽しむ人を一人でも多く創る」という経営理念のもと、全国39都道府県に180以上の楽器販売店舗・音楽教室を展開する、国内最大の総合楽器店(※)。事業領域として「楽器プレイヤーのトータルサポート」を掲げ、楽器販売と音楽教室の2事業を主軸としながら、長く演奏していると必要になる楽器修理、体験や演奏発表の場としてのイベント・コンサートの企画・実施、気兼ねなく練習できるスタジオ運営も行っている。
※引用元:The Music Trades誌「Top Global Dealers Report」