古い椅子へのデザイン塗装による再生プロジェクトが誕生

家具の循環(回収 / 再生 / 販売)を中心に、ライフスタイル提案の場としてさまざまな資源循環を体感できるトトンが、プロダクトデザイナー、塗装職人とタッグを組み、古い椅子にデザイン的思考を軸とした塗装による再生プロジェクト「C±C CHAIR&COLOR」を立ち上げた。また、プロジェクト展として「C±C CHAIR±COLOR」も2023年2月16日(木)から2月28日(火)まで開催する。adf-web-magazine-c-c-chair-color-1

今回の展⽰は「⾊の算数」という考え⽅のもと、実際に吹付塗装した椅⼦が15脚並ぶ。デザインの思考と過程を踏まえながら、家具塗装の可能性について理解を深めてもらうことを目的としている。

「C±C」プロジェクト背景

米三の倉庫には毎日、引き取ってきた古い家具がたくさん運ばれてくる。廃棄するにも年間に膨大な金額を要するため、トトンではまだ使える家具をクリーニングやアップサイクルしながら、暮らしに還元できる術を考えてきた。今回はその第1弾企画として、プロダクトデザイナー、塗装職人とタッグを組み、アップサイクルの観点から特殊吹き付け塗装によるオリジナルデザイン「C±C」を考案。木部はもちろん、金属や革に至る素材への“デザイン塗装”という新しいアプローチで古い家具に再び命を吹き込んだ。adf-web-magazine-c-c-chair-color-2

「色の算数」というデザイン塗装

通常、椅子の塗装によって色を加える(色を足す場合が多いが、今回の展示ではもともとの椅子に白を塗り、椅子から色を減らす(=色を引く)ことで、古い印象の椅子を改めて使い続けられようにならないかと考えた。さらに塗装しない部分を作ることで、元々の椅子の色を活かした表現となっており、「色の算数」という考えのもと、トトンならではの塗装法を考案。

展示概要

今回の展示では色を足す、引く「色の算数」という思考から導き出したデザインによる吹付塗装を施した椅子が15脚並ぶ。デザイナーの思考過程を踏まえながら、家具塗装の可能性について理解を深めることができる。

今回は椅子を選ぶところから携わらせていただきました。見栄えだけでなく家具としての機能を十分に果たせるであろうものを選び、使えるものを成長させた上で世の中に送り出したいと考えています。吹き付け塗装の現場で知ったマスキング技術を応用して生まれた塗装方法で、古いものの良さを活かし、長く使い続けられる家具になることを願っています。生まれ変わった椅子が、暮らしの中で「ちょっと良いね」と感じていただけると幸いです。

プロダクトデザイナー・宮田孝典(ESOLA FACTORY)

トトン

家具・インテリア全般の販売等を行う米三が2022年9月23日に富山県富山市問屋町にオープンした複合施設。家具の循環(回収 / 再生 / 販売)を中心に、ライフスタイル提案の場として、さまざまな資源循環を体感できる場所として誕生した。サステナブルな家具や雑貨の販売に加え、家具工場に併設するリペア・DIYスペース、その他カフェやコワーキングスペースなども併設。「食べる」「働く」「作る」「買う」を通じて、楽しくサステナブルなものづくりに触れることができる。

​「C±C CHAIR±COLOR」

会期2023年2月16日(木)から2月28日(火)まで10:30〜18:00
会場トトン1階エントランス
入場無料