MIID REKAアワード2023のADF賞受賞作品
マレーシアのインテリアデザイン業界の代表団体であるマレーシア・インテリアデザイナー協会(MIID)は、「MIID REKA Awards 2023」の受賞者を発表しました。青山デザインフォーラム(ADF)は、2018年からコーポレートパートナーとして本アワードをサポートしています。今年の受賞者はデザイン事務所ブルー・ウォーターのナシュゼリマ・ビンティ・ンガドミンによるプロジェクトで、都市型屋内ダイニング・パークをコンセプトにスタッフが公園でランチをするようにリラックス出来るようデザインされた「製造工場のカフェテリア」に決定致しました。
ペナンにある製造工場内にあるこのカフェテリアは、キッチンとサーバーエリアを備えた1000席のダイニングを確保するための拡張が必要でした。新しいカフェテリアはスタッフ同士の共感や一体感、またリラックス出来る空間を提供し、人工的な空間と自然の境界線を曖昧にしたシンプルなダイニングバーとなるようデザインされました。「公園で食事をする」とうコンセプトをもとに、ミニマルな屋内型アーバンダイニングパークはエントランスからマーケットホールへと続き、自然素材のテクスチャーを使用した落ち着きのある雰囲気を創造しています。
デザイン
「製造工場のカフェテリア」はスタッフの活力を取り戻すことを目的として、シンプルなラインで自然と室内とをシームレスに繋ぎ、ニュートラルな色調の空間にすることで、穏やかでリラックスできる雰囲気を醸し出しています。また、広々としたカフェテリアを空間で区切り、ポケット状に座席を配置。これにより、気分に合わせて好きな座席を見つけることを可能にしました。パンデミック以降、コミュニケーションの重要性がより明らかになりましたが、このカフェテリアではスタッフ同士が空間的な交流を通じて、日常の些細なことに感謝しながらリラックスできる空間を提供しています。
創造性
新しいカフェテリアは主な利用者であるスタッフにとって、一体感があり、リラックスできるという条件を満たしています。このプロジェクトに導入された「公園内のダイニング」というコンセプトは、ミニマルな建築シルエットの中に佇む都市型屋内ダイニング・パークであり、自然とのつながりを取り戻しながら穏やかな空間で休息することを可能にしました。そして、仕事の合間にしっかりと休憩を取ることを促し、集中力を高めるためのリセットタイムを提供しています。
空間的特徴
既存のダイニングホールと拡張されたスペースの間にオープンな中庭を設け、屋内と屋外の空間がシームレスになるように設置された座席は、様々なグループに対応できるようにレイアウトされています。16,000平方フィートのダイニング・スペースは複数のパビリオンによって客席ゾーンとサービング・カウンターに分けられ、屋外には緑豊かな景観に囲まれた約9,000平方フィートのエクステンション・ダイニング・ホールがあります。公園をイメージしてデザインされた座席エリアには、木製のベンチ、ピクニックテーブル、アースカラーのマテリアルパレットを多用し、公園の様な雰囲気を演出。自然の中にいるような感覚を呼び起こし、癒しと爽やかさを演出しています。
機能的なデザイン
拡張されたスペースには流動的なデザインが採用され、人々が集い、交流し、スペースを堪能することが出来ます。豊かな緑や植物など、自然の要素を随所に取り入れることで、空間を和らげ、活気と活力を与えるアウトドアダイニングの雰囲気にすることで、スタッフの心の充電と集中力の回復を促しています。
デザイン事務所ブルー・ウォーター
ブルー・ウォーターは受賞歴のあるブティック・インテリア・デザイン・スタジオ。多彩な経験と妥協のないコミットメントを持ち、ストーリーテリングへの情熱を通じて、目的を明確に表現するデザインを生み出しています。