フェンディ、ベネチアにサステナブル新旗艦店
イタリア、ローマを代表するラグジュアリーブランドのフェンディ(FENDI)は、2020年2月13日(木)にベネチア、サンマルコ(San Marco)地区の中心部、ラルガ・デル・アシェンシオーネ(Calle Larga De l'Ascension)通りに新旗艦店をオープンした。新旗艦店は、1900年代初期に建てられた宮殿の中に設けられ、180平方メートルのスペースに、フェンディの最新コンセプトに沿って設計され、ベネチアの典型的なテラゾー石の床、ひし形模様の天井、マルモリーノ(西洋漆喰)仕上げの壁など、独自の要素で内装されている。各部屋に自然光をあふれさせる大きな窓が、建物内部と外部との対話を可能にし、4フロアにわたって展開される店舗にシースルー効果をもたらしている。
1階はウィメンズのバッグとアクセサリーのフロアとなっており、商品はアイボリーのレザー製棚にディスプレイされ、棚を支えているのはシャンパンゴールドの金属チューブ構造。また、内部がパウダー色のアルカンターラ(サステナブルな高級素材)のカウンターが設置されている。これらのスペースを満たしているのは上品な雰囲気で、さりげないディテールへのこだわりによってフェンディのDNAを反映している。アイコニックなアストゥッチョ(Astuccio)ファーにインスパイアされたマルチカラーのミンクの斜め柄や、アイボリーのスタッコモチーフに飾られたニッチ(壁龕)の背景など、これらはカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がデザインしたFFロゴを再現している。
2階は2つの部屋に分けられ、ウィメンズのウェアとシューズのコーナーとなっている。1つめの部屋の壁は、シャンパンゴールドの軽いスレッドカーテンが周囲を囲み、劇場を背景にしたような効果をもたらしている。テラゾー石の床は、中央に敷かれたパープルのカーペットの外枠の役割を果たす。このスペースにはラグジュアリーなヴィンテージ家具と、フェンディ カーサのライトブルーのベルベット・アームチェアや、1960年代のルイジ・カッチア・ドミニオーニ(Luigi Caccia Dominioni)がデザインしたコーヒーテーブル、アフラ&トビア・スカルパ(Afra and Tobia Scarpa)がデザインしたソファといったデザイナーインテリアが置かれている。
3階のメンズフロアも2つの部屋に分けられており、グリーンの色彩が特徴的な、マスキュリンな雰囲気となっている。シャンパンゴールドのメタルディテールやフォレストグリーンのレザートップが、同じシェードのカーペットとマッチする。ブライアー木材の回転カウンター、グリーンのサテン、およびサテン仕上げのスチールがこのスペースの最後の特徴になる。
4階と最上階がVIPルームと豪華なテラスになっている。プライベートの居間のように寛げるコージーなVIPルームは、強いスカイブルーで統一され、壁には幾何学的なスタッコモチーフが配され、オッキオ・デラ・ストレーガ(=イタリア語で「魔女の目」の意)と名付けられたコンベックスミラー(凸面鏡)が飾られている。また、青緑色のベルベットの家具は、カーペットと完璧にマッチする。意図的に手を加えていない植物に囲まれたテラスには、ランタンやストロー素材やロープラグなどを用いたフェンディカーサのアウトドアコレクションが配置されている。
フェンディのベネチア新旗艦店はLEED認証を申請している。これは、フェンディとしては初めてとなる国際的なサステナビリティ・スタンダードを実現する取り組みであり、水とエネルギー消費を抑えること、また店内の買い物客のために室内の空気の品質を向上させることが目的となっている。