中国のビルやマンションを見ていると、穴が空いた建物を多く見かけます。最初は「穴が空いていて随分無駄だな」とか、「穴の真向かいに行きたい人は一度降りてから登らないといけないから大変だな」などと思う程度でさして気にも止めていませんでした。しかし、その数があまりにも多くついに、何かあるのだろうと調べてみることに。

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広州圓大廈 (広州)」、通称「円ビル」-
イタリア人建築家、ジョセフ・パスクェール(Joseph di Pasquale)、2013年完成

先日、中国人の友人が家に遊びにきて、部屋に入るなり、玄関ドアの隣に浴室のドアが並んでいるのを見て、「あ、これは風水的によくない」と言い出しました。

「ここに壁を作るべきだ。そうしないと、暮らしに影響が出る」

「壁が作れないなら、棚を置いて塞がないと」と自分の家のことのように心配し始める友人。

そう、ここは「風水」の国、チャイナ。

日本でも、住宅を探すときに風水的に良いか悪いかを考える人はいますが、ここではこうした「縁起の良し悪し」を、気にする「度」が違います。それは家に限らず、全てのことにおいて。「こうした方が縁起がいい」、「これは縁起が悪い」。そんな会話が常日頃から良くされています。

こんなことがありました。同僚と8人でごはんを食べに行き、何品か料理を注文したところ、店のオーナーが「その品数は縁起が悪いから増やしなさい(もしくは減らしなさい)」と我々にいうのです。結局同僚は1品増やしていました。料理のオーダー数までこだわるのだから、住む場所にこだわるのも頷けます。

では、風水とはそもそもなんなのでしょう?

風水とは、遡ること4千年。古代中国に置いて、首都の場所や、住居、建物、そしてお墓などの位置を決定する際に取り入れられた思想です。物の位置によって「気」の流れを良くし、陰陽のバランスをとり運気を上げていく、というもの。

では、その風水と今日の「穴」はどんな関係があるのか。

下記のマンションを見ていただくとデザイン性とは言えない、不自然な「穴」が空いています。ですが、この穴こそが風水にのっとって作られたもの。「気の流れ」が悪いことが風水では一番に良くないとされています。「気」がマンションによって、遮断されてしまうため、こうして穴を開け、気の流れを邪魔しないようにするのです。

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「隆德大廈 (広州)」

その他にもこちらは、wechatで有名な騰訊本社ビル。こちらの奇抜な建物も穴が空いています。

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「騰訊浜海大廈 (深セン)」

こちらは、ウェスティンホテル。

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ウェスティン広州  (Westin Guangzhou)」

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「不明 (広州)」

こうした「穴」あき建造物をたくさん中国ではみることができます。暮らしに深く根付いている、風水という考え方。中国を訪れる際は、こうした建物の「穴」に注目してみて下さい!