若手作家にフォーカスした企画

GALLERY HAYASHI +ART BRIDGEでは、2022年6月10日(金)から6月19日(日)まで倪力 (Ni Li)と宋博文 (Song Bowen)による「YOUNG ASIAN ARTISTS EXHIBITION 2022」を開催する。世界各地で起こっている歴史的な動乱の時を過ごす中で、2人は今までのありふれた日常に焦点を当て、身近にある物を自身の中で再定義し支持体に昇華させた作品が発表される。

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新たなパラダイムに突入しようとしてる社会の中で制作を続ける若者の姿は歴史に名を残した先人たちの情緒を感じる。日々のインターネット情報によって世界に対する認識が作り上げられる現在、デジタルメディアによる情報は現実以上に現実味を帯びた存在であると倪力は考えるが、それと同時にそれらのインターネット情報一つ一つには独自の物語が語られているとも考える。倪力はネット上に散在する画像の中からあえて低画質な画像を拾い出し、独自に組み合わせることで異なる物語と物語を繋ぎ合わせて新たな物語の再構築を試みる。彼は自身の作品を通じてインターネットに散在している表層としての画像だけでなく、その画像ひとつひとつが持つ背景の物語を紡ぐ道を探りながら、現代における物語(ナラティブ)の意味の多義性と一面性という関係性に問いかけ続ける。

ウロボロス話し
2022油彩、結束バンド、ビニール620×750mm

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合意
2022油彩、結束バンド、ビニール302 × 425mm

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Pray
2021油彩、キャンバス
410 × 320mm

一方、宋博文は1990年代の一人っ子政策下に生まれ、21世紀初頭の中国の高度経済成長の時代に育つ。これらの時代背景は宋に大きな影響を与え、60年代から70年代の失われた時間に対する絶え間ない郷愁と未来への不安の中に育ち、それらの現代とかけ離れた価値観との対立は常に彼自身の中に矛盾をもたらす。 制作時、それらの感情は常に無意識のうちに具体的なものと抽象的なものの間を行き来し、親族、愛情、友情、孤独、混乱が作品に表されている。宋は絵のプロセスにこそ意味があると考え、支持体上で岐路に立ち選択する様子は今までの人生観のそれであり宋の精神性を表現している。

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コンビニ
2020アクリル、パネル273 × 273mm

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鷹の台駅
2020アクリル、キャンバス1700 × 600mm

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夜間テニスコート
2020アクリル、キャンバス727 × 606mm

展覧会特徴

GALLERY HAYASHI + ART BRIDGEによる若手作家にフォーカスした企画「YOUNG ASIAN ARTISTS EXHIBITION」。武蔵野美術大学大学院を今年卒業した倪力と多摩美術大学を今年卒業し、多摩美術大学大学院に在籍する宋博文による若手の二人展となる。倪力は上海生まれで東京を拠点に活動するアーティストで、インターネット上の異なる画像と画像を一つのキャンバスの中で組み合わせ、独自のストーリーを作り上げる。また、宋博文は中国は遼寧省、一人っ子政策時代に生まれ高度経済成長期に育ち日本で美術を学び始めたらコロナ化に突入。時代や社会に大きく影響を受けつつ、その中で強く生きる人々の姿や風景を描く。

「YOUNG ASIAN ARTISTS EXHIBITION」開催概要

会期2022年6月10日(金)から6月19日(日)まで
時間11:00~18:00
場所Gallery Hayashi (銀座)
住所東京都中央区銀座7-7-16