まちと、ビジネスと、イノベーションを起こす「アートアーバニズム」のパイロットプログラム 「YAU(ヤウ)」 の第2期が再始動
大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり3団体の大丸有エリアマネジメント協会、三菱地所により組成された「有楽町アートアーバニズムプログラム」実行委員会は、まちがアートとともにイノベーティブな原動力を生み出す実証パイロットプログラム「有楽町アートアーバニズムプログラムYAU」の第2期活動を10月から再始動する。
第2期では、前回と同じ有楽町ビル10階にある約1,200㎡のオフィス空間を活用した共同スタジオを再開。今回は特に、大学や企業、団体とアーティストの連携を積極的につくることに重点を置き、アートとビジネスの協働の可能性をさらに探求する。
コンセプト策定経緯
大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会では、エリアマネジメントの観点から、アートが持つ創造力を都市にどう取り入れていくべきかを議論するべく、2019年「アート × エリアマネジメント検討会」を設置し、アーティストのもつ0から1を生み出すクリエイティブマインドをまちの原動力として、都市空間創造や都市活動展開を一体化させる新しいまちのムーブメントを、「アート」と「アーバニズム」を掛け合わせた造語「アートアーバニズム」として始動することを宣言。2022年度からは検討会の事務局を大丸有エリアマネジメント協会に移し、この構想を具体化・実践する組織を設立するべく、「アートアーバニズムカウンシル準備会」と名前を改め、アーティストの活動が自発的に起こるエコシステム構築を目指した体制づくりを推進。本プログラムは、その実証パイロットプログラムとなる。
実施内容
YAU第2期では、第1期と同様にアーティストスタジオ・コワーキングスペースの運用は継続し、アーティストの創作活動の拠点をまち中に創出。第2期のハイライトは、アーティストと多様なセクターの連携構築を一層深めていくアクション。その一環として、東京都との共同事業、東京藝術大学との連携を行い、複層的な本取り組みは、主に3つのプログラムから展開する。
- 定期的なトークセッションやイベントの開催を通じた、アート&ビジネスの核となるコミュニティの形成
- 企業をはじめ多様なセクターのつながりを支援する、コーディネーター人材の育成
- ワーカーをはじめ一般層のアートへの関心の芽を育てるスクールプログラムの実施(内容検討中)
YAUは、アーティストの創造性とその営みをビジネスの街に呼び込み、アーティストとビジネスパーソン、そして企業が出会い触発されることで、都市のクリエイティビティ向上とイノベーション創出を図る「アートアーバニズム」をコンセプトとした実証パイロットプログラム。2022年2~5月に実施したYAU第1期では、オフィスビルの中にアーティストの共同スタジオを設置し、まちとアートについて学びを深める「スクール」や「トーク」、次世代を担う若手アーティストに専門家によるアドバイスを提供する「相談所」を展開し、アーティストがビジネス街の中で活動・交流するベースを築いた。さらに、その成果展として「YAU TEN」を開催し、広く一般に活動を公開して交流。4ヶ月の実証期間中にスタジオを利用したアーティストは300人を超え、アーティストの創作活動や交流の場となるプラットフォームがこれまで無縁と思われていたビジネス街で成立すること、ビジネス領域との共感・協働の可能性が充分にあることが検証できた。大手町・丸の内・有楽町エリアでは、ビジネス街における「アートアーバニズム」を実践し、アーティストとワーカー・企業の交流を促進することで、都市のマインドを変え創造と革新を起こしていく先導的な取り組みを今後も進めていく。
「YAU SALON」について
本プログラムでは、アーティストとビジネスパーソンをはじめ、パフォーマー、キュレーターやアートマネージャーなど、芸術文化活動に従事する様々な背景をもつ人々を迎え入れ、大丸有エリアを中心に積極的に交流を深める場として「YAU SALON」を創出。アートと社会・ビジネスの越境的取組が展開されていくことを目指し、様々な領域の方々が集い、これからの社会を語るコミュニティを目指す。