1970年、坂本龍一は大阪で何を見たのか

大阪で初の坂本龍一の大規模企画展「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」が、グラングリーン大阪の文化装置「VS.」で2025年8月30日（土）から9月27日（土）まで開催される。今年3月末まで東京都現代美術館で開催された坂本龍一の大規模展「坂本龍一｜音を視る 時を聴く」は、34万人超の来場者を迎え、同館史上最多の動員数を記録。本展はこの大規模展覧会ともまた違う視点の企画展となっている。

テーマは「1970年の坂本龍一」

1970年、18歳の坂本龍一は「人類の進歩と調和」をテーマに掲げた大阪万博で、多彩な音楽やアートに触れた。各パビリオンで流れる音楽の多くは、無調による前衛的な電子音楽でした。坂本が敬愛する武満徹の《クロッシング》《四季》や、小学生の頃から影響を受けた高橋悠治の《慧眼》、湯浅譲二の《スペース・プロジェクションのための音楽》、西ドイツ館ではカールハインツ・シュトックハウゼンが球形ホールで《Spiral》の連日公演を行っていた。また、中谷芙二子による霧の彫刻をはじめとする展示されていたアート作品は、のちの坂本の創作活動に深い影響を与えた。

本展は、2025年再び大阪で万博が開催されているこの年に、若き日の坂本が受けた刺激を、坂本が遺したものを共有化する試みとして始動した「sakamotocommon」を通じて次世代のクリエイターたちへ届けることを目指している。

チケットは公式サイトから購入できる。

展示内容

• 坂本龍一 + 高谷史郎《LIFEーfluid, invisible, inaudible...》
• Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2025 – D
• バシェの音響彫刻
• 坂本龍一　on async
• 坂本龍一 + Zakkubalan《async–volume》
• 坂本龍一 + アピチャッポン・ウィーラセタクン《async–first light》
• アピチャッポン・ウィーラセタクン《Durmiente》
• 坂本龍一『Ryuichi Sakamoto: Playing the Baschet』,『12』 360 Reality Audio
• 坂本龍一アーカイブ: 1970 －
• Sakamoto Library – Extension | 坂本図書 分室