時間をテーマに「今この一瞬を生きている」という概念を表現

言葉や人種、文化などあらゆる垣根を超えた表現を元に、祈りに対する新たな解釈と視点を発信するプロジェクト「FEEL KIYOMIZUDERA」。多くの映像作品を生み出すとともに、広告写真、アーティストポートレートなどをはじめ写真家としても活動している柿本ケンサクが、1200年の歴史を持つ音羽山清水寺にて2022年6月25日(土)から7月10日(日)まで、「柿本ケンサク写真展 ーTIMEー 音羽山清水寺 Collaboration with Luke Bubb, Piotr Stopniak」を開催する。

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TIME 「Sombrero Galaxy M104」© Kensaku Kakimoto、天体画像提供:国立天文台

清水寺は古来から庶民に開かれた観音霊場であり、学問と芸術の交流地点でもあった。柿本ケンサクは1200年の時を経て今なお存在する普遍的な祈りの場であるこの地で、時間をテーマに「今この一瞬を生きている」という概念を表現する。本展覧会では、大宇宙を数千万年旅した光や時間を一枚のフィルムに閉じ込めた新シリーズ「TIME」や、清水寺のご本尊「十一面千手観音菩薩」をモチーフとする新シリーズ「KAN-NON」を発表。これらの作品は京都屈指の夕陽の名所である清水寺の西門(重要文化財)を舞台に制作された。西門に注ぎ込む極楽浄土を表す夕陽をあらかじめ撮影した写真に透かし、再び撮影することで作品を完成させている。さらに昨年発表し話題を呼んだAI現像シリーズ「Time Tunnel」をさらに発展させた新シリーズ「Sky Tunnel」も発表。永久の光を閉じ込めたこれらの作品群を通して、柿本は新たな祈りの場を創出する。

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KAN-NON 「瞋怒面B 」© Kensaku Kakimoto

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KAN-NON 「月の庭 暗」© Kensaku Kakimoto

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Sky Tunnel「Sky Tunnel 047」© Kensaku Kakimoto

永久の時の中で、『今この一瞬をいきている』という概念を表現したい。この世界が誕生して以来、膨らみ続けるこの宇宙と膨大な情報。そのすべては、『時間』の中に収まっています。溢れかえった豊かさという情報群に揺らぎ、惑わされて、自らが気付かない間に見えなくなってしまいます。今、私たちは、『豊かさ』を削ぎ落とし、本当に『大切なこと』を抽出する必要があるように思います。それは自分自身を一度、分解し、極小から、再構築する作業です。表面解像度を落とし、心の解像度を高め、答えを導き出すのではなく、選択肢を広げる作品を制作しました。 ー柿本ケンサクー

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西門での撮影風景

柿本ケンサク/ Kensaku Kakimoto

多くの映像作品を生み出すとともに、広告写真、アーティストポートレートなどをはじめ写真家としても活動。2021年大河ドラマ「青天を衝け」メインビジュアル、タイトルバックを演出。同年、監督を手掛けた映画「恋する寄生虫」が公開。2022年、NHK「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」が放映決定。また、現代美術家としても多くの写真作品を国内外で発表。2016年、代官山ヒルサイドフォーラムにて写真展 『TRANSLATOR』 展を開催 。2017年、ニューヨークの タカ・イシイギャラリーにて「HYOMEN」展、 2021年、代官山ヒルサイドフォーラムにて「TRANSFORMATION」展、渋谷PARCO GALLERY Xにて「時をかける」展を開催 。国際美術展「水の波紋2021」に選出される。

音羽山清水寺「FEEL KIYOMIZUDERA」プロジェクト

「FEEL KIYOMIZUDERA」は、言語、人種、文化などあらゆる垣根を超えた前衛的な表現を元に、人が一心に尽くし無心へと近づいていくその瞬間を祈りの風景と重ね合わせ、100年先、1000年先の仏教寺院のあり方を模索していくプロジェクト。清水寺を舞台に2012年からスタートしたこの取り組みは、アート、写真、舞踏、音楽イベントなど、あらゆる表現を通して祈りの場を創出している。

柿本ケンサク写真展開催概要

会期2022年6月25日(土)13:00から7月10日(日)まで
会場音羽山清水寺
時間10:30~17:30
展示場所西門、経堂、成就院
観覧料無料