地上9メートルの吊り下げ式アートワーク
この夏、モン・ロワイヤル通りは2.5kmの歩行者専用ゾーンに生まれ変わり、フルール・ド・マカダム広場の通行人は、地上9メートルに吊り下げられたインスタレーション「Partiellement nuageux avec de fortes probabilités de " wow "!(「少しだけ曇っていて「びっくり!」)」を見上げることができるようになった。
2021年11月にモン・ロワイヤル通り開発協会がオダチェイベントとプラトー・モン・ロワイヤル区の協力で開始したデザインコンペで優勝したアン・タム・エ・リューが制作したこの作品は、巨大なふわふわの雲をイメージしており、太陽の動きに合わせてゆっくりと動く陰影のあるゾーンを作り出す。コンセプトは自然と都市生活、有機的な生活とテクノロジー、気象学と昔話といった二項対立にちなんだもの。また、水とその2つの状態(液体と気体)を象徴し、意図的に雨がいかに重要であるかを祝い、示すことが広場にとって、最適なものとなった。この作品はリアルタイムで進化するユニークな体験を提供する。夜には12時間の天気予報に従って変化する光を放ち、熱波、嵐、雨、日差しなどに反応。また、予想される天候に応じて虹色のパレットで揺らめき、まさに大気圏の詩を体現したような作品となっている。クリエイターたちは、農民のように土地と深い関わりを持つ人々に親しまれてきた、夕暮れ時の空や雲の色を観察し、明日の予報を予測することができるといったような昔話と、気象学の両方からインスピレーションを得た。
アン・タム・エ・リュー(EN TEMPS ET LIEU)について
EN TEMPS ET LIEUは、ケベック出身のステファニー・ルデュックとドイツ出身のマニュエル・バウマンによるユニット。建築、デザイン、ビジュアルアートを組み合わせた作品を中心に、様々な分野で活動している。彼らの作品は公共空間の役割や認識を問い直して破壊することを意図しており、従来の表現方法を超える意欲が感じられる。環境デザインは白紙のキャンバスとスケールを提供し、空間、人間性、経験、時間性など、彼らが大切にしているテーマに取り組み、探求することを可能にしている。「Partiellement nuageux avec de fortes probabilités de " wow "!」は2022年10月まで設置され、その後3年間は毎年夏に再展示される予定。