角川武蔵野ミュージアムにて大規模個展「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」開催

角川文化振興財団は、「ところざわサクラタウン」内、「角川武蔵野ミュージアム」にて、国際的に活躍してきた日本人とオーストラリア人によるアーティストユニット米谷健+ジュリアの日本における初の、大規模な個展「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」を開催。ワークショップやトークイベントなども予定されている。「ところざわサクラタウン」は、KADOKAWAと埼玉県所沢市が、みどり・文化・産業が調和した地域づくりを共同で進めるプロジェクト「COOL JAPAN FOREST構想」の拠点施設として2020年11月6日(金)にグランドオープン予定。

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クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会(カナダ、部分)2013 ⒸKen + Julia Yonetani  Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery

国内ミュージアムでの初の大型個展

米谷健+ジュリアの代表作が、まとまった形で見られる展覧会は日本初。その中でも、《最後の晩餐》(2014年)と《大蜘蛛伝説》(2018年)は国内初公開となる。

海外においても高い評価を受けているアーティスト

国際的な芸術祭であるベネチア・ビエンナーレのオーストラリア代表(2009年)の1組として選ばれるなど、海外の芸術祭、美術館で活躍。主な展覧会に「シンガポールビエンナーレ 2013」(シンガポール国立美術館)、個展「The Last Temptation」(2015年、オーストラリア国立美術館)、「ホノルル・ビエンナーレ2017」など。今年10月27日よりニューヨークにて開催される第1回アジア・ソサエティ・トリエンナーレに出展予定。

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Dysbiotica-Man 2020 ⒸKen + Julia Yonetani  Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery

コロナ禍の今、福島の原発事故から10年、だからこそ見てほしい現代アート作品

作品のテーマとして、社会問題、特に環境問題を扱ってきた米谷健+ジュリア。代表作の一つ《クリスタルパレス》(2012年-)は、ウランガラスを素材とし、妖しく発光する作品。しかし、美しさの一方で、その素材が原発と深い関わりを持つものだと気づいたときに、その美しさは全く違った印象を与える。原爆、原発事故を経験した日本において、この作品と向き合うことは特別な意味を持つ。そして、このコロナ禍を予見したかのような2020年の新作《Dysbiotica》は、私たちの世界が、微生物の秩序の上に成り立っていることをモチーフにしており、そのバランスを壊す主体としての人間に問いをつきつけるものだと言える。ウイルスの蔓延によって、私たちは世界のバランスが崩壊したように感じているかもしれないが、はたしてそうなのか?アフターコロナの世界における人間の進むべき方向が見えてくるかもしれない。

出品作品

1. 大蜘蛛伝説 (2018年)

ウランの採掘が行われていた岡山県の人形峠に伝わる伝承から着想を得た巨大な蜘蛛の立体作品。ウランガラスで作られている。本作の対となる、オーストラリアのウラン鉱山の地域に伝わるアボリジニの民話をもとに制作された巨大蟻の作品《生き物の記録》(2012年)は、森美術館に収蔵されている。

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大蜘蛛伝説 2018 ⒸKen + Julia Yonetani  Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery

2. Dysbiotica (2020年)

磁器土で作られた作品の表面は、微生物、珊瑚のようなパーツで覆われており、地球規模で進んでいる珊瑚の白化現象を想起させる。「Dysbiotica」とは腸内細菌のバランスが崩壊する「Dysbiosis」の造語。人と環境の共生世界の崩壊を表している。

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Dysbiotica-Pregnant woman 2020 ⒸKen + Julia Yonetani  Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery

3. クリスタルパレス (2012年-)

ウランガラスで作られたシャンデリアのインスタレーション作品。シャンデリアの1つ1つに原発保有国の名前がつけられている。その原発からつくられる電力の総出力とシャンデリアの大きさは比例している。2011年の福島第一原発事故を受けて制作を開始し、現在32か国分が完成している。

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クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会 2012- ⒸKen + Julia Yonetani  Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery

4. 最後の晩餐 (2014年)

全長約9mに及ぶテーブルに豪華に並べられたワイン、食べ物、食器など西洋の晩餐会を彷彿とさせる巨大インスタレーション作品。実は全て「塩」でつくられた本作はオーストラリアでの大規模農業における過度な灌漑によりおきた塩害をテーマにしている。環境破壊に加え、食の安全性への疑念と不安をもとに制作されている。

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最後の晩餐 2014 ⒸKen + Julia Yonetani  Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery

作家プロフィール

米谷健+ジュリア / Ken + Julia Yonetani

現代美術家。日本人とオーストラリア人のアーティストユニット。インスタレーション、パフォーマンス、写真、映像、立体など、環境問題や社会問題を主題に素材を活かした、大規模インスタレーション作品を制作。現在、京都の農村にて無農薬農業も兼業しつつグローバルに制作展示活動を行っている。

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ⒸKen + Julia Yonetani  Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery

「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」開催概要

会期2020 年11月6日(金)~2021年3月7日(日)
開館時間10:00~18:00 (金・土 10:00~21:00) /入館締切閉館30分前
会場エディット アンド アートギャラリー (角川武蔵野ミュージアム4F)
チケット販売kadcul.com