「楳図かずお大美術展」にて新作《ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館》が初公開
東京シティビューは「UMEZZ ART PROJECT」の一環として楳図かずおの世界を体感できる展覧会「楳図かずお大美術展」を2022年1月28日(金)から3月25日(金)まで開催する。長きにわたり歴史に名を刻む傑出したマンガ作品を多く世に送り出した楳図かずお。その作品にはマンガという既存の分野だけでは語りきることができない先見的な世界観、幻視的なビジョンが至るところに発揮されている。本展はそんな楳図かずおの”比類なき芸術性”に焦点を当て、「楳図かずおの世界」を表現する今までにない展覧会だ。
最大の目玉は、楳図かずおが制作に4年の期間を費やした、27年ぶりの新作《ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館》の初公開だ。マンガとしてではなく、原画101点を連作絵画として閲覧できる。アーティスト・楳図かずおはどうやって生まれたのか、作品を通じて何を伝えようとしているのか。漫画家の枠に収まらない“アーティスト・楳図かずお”の「大美術」が堪能できる。
本展の見どころ
地球規模の気候変動や自然災害の多発による人新世の到来、AIやロボット工学が暗示するシンギュラリティの予感、さらには人が神の領域に立ち入る遺伝子工学やハイブリッド生命体の誕生など、本展が焦点を当てるのは、驚くほど生々しく描かれた、楳図かずおの先見性に満ちた代表作「漂流教室」、「わたしは真悟」と「14歳」。そして比類なき芸術家楳図かずおの27年ぶりの新作《ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館》が全101点の原画で初公開される。
ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館
1990年代の《14歳》以来、楳図かずおにとって実に27年ぶりの新作。1980年代に描かれた《わたしは真悟》の続編であり、同時に時空を超えたそのパラレル・ビジョン(並行世界)でもある。制作に4年の期間を費やして完成した本作は、アクリル絵画による101点の連作という方式を採っている。生き生きとして目を見張らされる筆触や、きらびやかで吸い込まれるような色彩で表現されており、時系列に沿って展開される物語性を持つ点ではマンガに近い部分もありながら、マンガと違い、コマ割りはなく一枚一枚が独立して鑑賞できる形で、「かつて子どもだった私たちへ」40年の時を超え、楳図かずおが生み出した、あらたなシンゴの世界だ。
楳図かずお プロフィール
小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時「別世界」「森の兄妹」をトモブック社から単行本で出版しデビュー。「へび少女」「猫目小僧」などのヒット作により“ホラー漫画の神様”と呼ばれる。「漂流教室」で小学館漫画賞受賞。一方「まことちゃん」でギャグの才能も発揮。作中のギャグ、“グワシ”は社会現象となった。またタレント、歌手、映画監督など多数の肩書きを持ち、様々なジャンルで活躍している。2018年「わたしは真悟」で仏・アングレーム国際漫画祭「遺産賞」受賞。また同年度、文化庁長官表彰受賞。
本展会場と同フロアにあるカフェ「THE SUN & THE MOON」では期間限定で楳図かずおの世界を表現したコラボスイーツやフード、ドリンクが提供される。
「楳図かずお大美術展」概要
会期 | 2022年1月28日(金)から3月25日(金)まで 会期中無休 |
会場 | 東京シティビュー(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階) |
開館時間 | 10:00~22:00(最終入館21:30) |
料金(税込) | 一般2,200円/高大生1,500円/子ども4歳~中学生900円/シニア(65歳以上)1,800円 *チケット詳細の発表・発売開始は12月中旬を予定。 |
問合せ | 03-6406-6652(東京シティビュー) |