あなたに、本当に似合うジュエリーとは

ジュエリーは、誰を夢みる」展が、京都国立近代美術館で2026年10月24日(土)から2027年1月17日(日)まで開催される。本展は、専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ所蔵作品の大規模な公開に加え、約50年ぶりにドイツから来日する優品、また現代作家作品まで約350件により構成。身に着けるものに表現が侵入している、というジュエリーの可能性を、戦後の日本に視点を据えて問い直す。

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デザイン:菊地敦己
左から、新里明子 ヘッド/ノーズピース《Another Skin》 2015年 金メッキ真鍮、スワロフスキークリスタル 作家蔵、オットー・キュンツリ ブローチ《スイス・ゴールド》 1983年 厚紙、アクリル 京都国立近代美術館蔵 ©Otto Künzli, VG Bild-Kunst, Bonn 2025

1964年、平松保城(1926–2012)や菱田安彦(1927–1981)を中心に日本ジュエリーデザイナー協会(JJDA)は設立された。当時はまだ日本でジュエリーが一般的ではなかった時代。以降、JJDAを中心に「国際ジュウリー・アート展」が1970年から86年まで西武百貨店渋谷店で開催され、欧米の動向を紹介し素材の価値だけではないデザインという概念が広まった。70年代後半からは、ジュエリーの特性をコンセプトとした、同時代美術と呼応する作品「コンテンポラリージュエリー」が日本にも紹介された。1990年代には伊藤一廣(1948–1997)やオットー・キュンツリ(b. 1948)を中心として東京、ミュンヘン、アムステルダムによる三校合同展が始まり、コンセプチュアルな姿勢を持つ海外作家との交流が継続している。

主な出品作家

シガード・ペアソン、マリオ・ピントン、ラインホルト・ライリンク、ブルーノ・マルティナッツィ、平松保城、ヘルマン・ユンガー、山田禮子、ペーター・スキュービック、ウェンディ・ラムショウ、ディビッド・ワトキンス、ハイス・バッカー、中山あや、ベルンハルト・ショービンガー、永井慧悧子、伊藤一廣、オットー・キュンツリ、テレーゼ・ヒルバート、キャロライン・ブロードヘッド、ダニエル・クルーガー、ワーウィック・フリーマン、薗部悦子、テッド・ノーテン、カール・フリッチ、いしかわまり、嶺脇美貴子、フェリカ・ヴァン・デル・リースト、大山由華、田口史樹、鎌田治朗、珠数かおり、新里明子、ほか70名以上を予定

作品例

オットー・キュンツリ ブローチ《スイス・ゴールド》

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めかし込んだ男性の胸元に光る金塊のブローチは、「本物の」スイス・チョコレートの紙箱で作られている。洗練された文化的素養を示したいとき、また財産としても、優れた質とデザインの金のジュエリーを求める気持ちを皮肉を込めて象徴する作品。

オットー・キュンツリ ペンダント《日の出―日の入り》

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1993年の初来日にあたって制作され、伊藤一廣とヨーク・ブラクマンとの「3教授展/We 3 Jewelry Triangle」で発表されたペンダント。白い球と赤い円の単純な構成はアメリカを代表するキャラクターを連想させるが、同時に日の丸のイメージを重ねた表現にもなっている。

テッド・ノーテン 《Chisaka's Bag》

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所蔵者の妻が亡くなった後、愛用していた指輪をアクリル樹脂に閉じ込めて制作された。ものを入れる機能よりも、手に持つジュエリーとしての役割を踏まえてバッグのかたちをしており、持ち手も故人の愛用バッグから転用されている。ジュエリーが持ち主の記憶や思い出と切り離せないことを強く意識させられる作品。

いしかわまり リング《Love makes blind(愛は盲目)》

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角度を変えると、ハートにもエタニティ―(∞)にも見えるかたちをした「愛は盲目」と題された指輪。表面には、5か国語の点字で「I Love You」と書かれている。当時作家は、ミュンヘン美術アカデミーのオットー・キュンツリのもとでコンセプトを持つジュエリーを学んでいたが、それは日常的に異なるコミュニケーション方法や文化的背景に身を置くことでもあった。本作は、ジュエリーに馴染みあるモティーフを用いながら、努力しなければ意味の汲み取れない関係性を提示している。

田口史樹 ブローチ、ペンダント《The memory to relive》

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和彫りを独自に昇華させた技法で、銀はまるでダイヤモンドを散りばめたような様相を呈している。田口は同シリーズで2025年にLOEWE FOUNDATION Craft Prizeファイナリストにも選出されている。本作では十字型が中心に据えられ、ゴシックの紋章などを彷彿させる。

新里明子 ヘッド/ノーズピース《Another Skin》

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新里明子はロンドンのセントラル・セント・マーチンズ在学中に、容姿と自信の相関関係についての研究を背景として、顔を改変するジュエリーの制作を始めあ。別の誰かになりたい、という憧れは、時に強い原動力を人に与える。

「ジュエリーは、誰を夢みる」開催概要

会期2026年10月24日(土)~2027年1月17日(日)
時間10:00~18:00
会場京都国立近代美術館
URLhttps://tinyurl.com/mrbs3e74