「磯崎新 ― 水戸芸術館 縁起 ― 」展の再現とともにシルクスクリーン版画作品などを展示

水戸芸術館を設計した建築家の磯崎新が、2022年12月28日に沖縄にて逝去。本展は磯崎を偲び、2019年に開催した「磯崎新 ― 水戸芸術館 縁起 ― 」展の再現とともに、磯崎のシルクスクリーン版画作品、当館設計時の資料等を水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室およびエントランス2階回廊にて「磯崎 新―水戸芸術館を創る―」展を2023年3月1日(水)から6月25日(日)まで展示する。

adf-art-tower-mito-arata-isozaki-creating-art-tower-mito-exhibition

全景撮影:田澤 純 写真提供:水戸芸術館

磯崎は水戸市制100周年を記念して計画された水戸芸術館を設計するに当たり、この施設の整備を契機にして未来へ向かう水戸のまちのイメージを創っていくということを理念に建物をデザイン。世界でも類例がない、様々な用途を持つ芸術館を豊かな知識、経験と卓越した力量により機能性と芸術性をともに追及しながら設計した。ルーマニアの彫刻家ブランクーシの作品「無限柱」をヒントに、将来へ向かって伸びゆく都市を象徴化した高さ100メートルの塔、その下に広がる何時でも人が自由に行きかうことのできる開放的な広場、そして広場の南には門柱のような3本の大きなケヤキ、北には水の出入口という「水戸」の地名の由来を形象化したカスケード、広場をとり囲んで現代美術の作品を際立たせる展示空間のギャラリー、室内楽の演奏に理想的な音響空間のコンサートホール、舞台芸術を間近に楽しむことができるスケールの劇場、そしてパイプオルガンの豊かな響きも聴くことができるエントランスホールが出来上がった。磯崎はこのような歴史に残る傑出した建物を残したばかりでなく、施設が建設される前にそれを運営する中身が組みたてられることが、いい施設の生み出される鉄則であるという考えから、財団設立時から理事に就任し、建物と運営が同時に活かされていくように、芸術館の企画、構想、運営、演出、上演、展示にも直接関わった。開館後も美術部門の顧問、吉田秀和賞の審査委員を務めるなど、亡くなるまで当館の運営充実に努めた。磯崎の戸芸術館に対する長年にわたる多大な功績に深い感謝の意を込め、2019年に当館で開催した「磯崎 新―水戸芸術館 縁起―」展の再現とともに、設計時の資料等を展示する「磯崎 新―水戸芸術館を創る―」展を開催する。

「磯崎 新―水戸芸術館を創る―」展開催概要

日程2023年3月1日(水)から6月25日(日)まで
会場水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室およびエントランス2階回廊
時間10:00〜18:00
休館月曜日
入場無料