「走る」アートバスやサイネージを活用したデジタルアートを展示
グランフロント大阪から全国、そして世界へ羽ばたくアーティストをサポートするアートプロジェクト「ART SCRAMBLE」(アートスクランブル)。プロジェクト・ディレクターに椿昇を迎えて2021年3月にスタート。気鋭のアーティストにより生み出された作品をこれまで計8点(全3回)グランフロント大阪内に展示し、訪れる人々に驚きと発見をもたらした。今回、第4弾として新たな作品を2点、2022年10月5日から2022年12月下旬までの予定で展示開始する。
梅田エリア巡回バスうめぐるバスの車体にペイントを施した「うめぐるARTバス」。本作品は、キュレーターであるMon Koutaro Ooyama含め総勢23名のアーティストと、2022年10月1日と10月2日に実施したワークショップに参加した50名の子どもたちによって制作された。アーティストと子どもたちのエネルギー溢れる「走るアート作品」として、2022年10月5日から12月下旬頃まで、梅田のまちを巡回する。
うめぐるバス(UMEGLE-BUS)
グランフロント大阪のまちびらきにあわせ2013年4月より運行を開始。梅田のまちを1周約30分で巡回し、観光、ショッピングやビジネスに利用することができる。変わりゆく梅田の街並みを車窓から眺めることができるため、手軽な観光クルーズとしても楽しめる。
Mon Koutaro Ooyama(モン コウタロウ オオヤマ)
日本のストリートアーティスト。京都市立芸術大学美術学部卒。2001年、ライブペイントデュオ「DOPPEL」を結成し、ライブペイントシーンの黎明期からそのスタイルを確立してきた。2014年、取り壊し予定のビルを利用したアートプロジェクト「#BCTION」を企画・監修する。壁画・ライブペイント・ インスタレーション・キャンバス制作や、アートプロジェクトの企画・監修・演出などで活動している。
また、北館 館内サイネージ(計5台)では、たかくらかずき のデジタルアート作品を放映。新たな表現の場として館内サイネージでのアート作品の放映は初の試みとなる。本プロジェクトは今後も定期的な作品の展示・入替を予定しており、中長期的に継続して取り組む。
《BIG ONI KANNON MINI》
デジタルデータの世界では大きさが定義されておらず、物質同士の表面も反発し合わない。大きさは“可変”であり、それは巨大ヒーローが大きくなる時のように無限な大きさ、小ささを行き来することができる。オブジェクト同士は接触しても反発せず、全く同じ位置に存在することができる。これらのあり方は日本における『妖怪』の在り方に似ている。
たかくらかずき
アーティスト / アニメーション作家。1987年生まれ。TVやCM、映画のアニメーションを制作しつつ、オリジナルワークとして3DプリントやVR、NFTを使用し、日本仏教をテーマにデジタル表現の価値を追求している。近年のアニメーションワークスに、NHK教育テレビ「シャキーン!」テレビ東京「シナぷしゅ」劇場映画「WE ARE LITTLE ZOMBIES」など。steamで仏教シューティングゲーム「摩尼遊戯TOKOYO」を配信中。現在京都芸術大学非常勤講師。
過去展示作品
第1弾:2021年3月29日~2021年9月2日(AGARUMANSは2022年3月1日まで)
米村 優人(よねむら ゆうと)《AGARUMANS (Best Friend)》
「agarma(アガルマ)」はギリシャ語で「彫像」、そして「AGARUMAN」とは「人体彫刻」を意味する。本作は自身の地元でもある大阪で展示するにあたって、大勢が行き交い、賑わいでいる人々から着想した3体からなる群像彫刻を制作。大阪の街ではしゃぐ3体の彫刻が、新型コロナウィルスが過ぎ去った明るい活気のある大阪の復興への願いが込められている。※現在、「滋賀農業公園ブルーメの丘」に展示中。
Mon Koutaro Ooyama(モン コウタロウ オオヤマ)《ツナガリ》
コロナの猛威によって、あらためて私たちの経済圏は大自然の中にあった事を強く思い知らされる。自然の生態系を記号化したこのウォールアートは、動植物が自然環境と重なり合って、一体となって、強かに生き抜く姿を示す。都市部にあっても、本当は自然の中にある生活が、こうした時代に合わせて変化し、修正し、より良い世界に繋がっていくよう、願いが込められる。
第2弾:2021年9月17日から2022年3月10日まで
BAKIBAKI(バキバキ)《PANGOMIC》
モチーフにした”センザンコウ”は世界一密猟されている絶滅危惧種の哺乳類で、COVID-19の媒介生物と有力視されている。BAKI柄を介してその神々しい姿と向き合うことで、自然への畏怖の念を鑑賞者と共に回顧したいとの願いが込められる。タイトルの”PANGOMIC”とはセンザンコウの英名(PANGOLIN)とパンデミック(PANDEMIC)の造語。
第3弾:2022年3月25日から9月4日まで(hiwadrome typeΔは来年3月初旬まで展示)
檜皮 一彦(ヒワ カズヒコ)《hiwadrome typeΔ》
自身も使用する車イスを用いた《hiwadrome》シリーズの一形態。より抽象度が高まったtypeΔは今作が初登場。
WHOLE9(ホールナイン)《Mobula》
境界線のアチラもコチラもどこ吹く風、寝仏のように昼寝に堕ちる女性をモチーフに、リラックスして構える大切さを描きとめようと描いた作品。
「ART SCRAMBLE 第4弾」開催概要
日程 | 2022年10月5日から2022年12月下旬 予定 |
場所 | うめぐるバス(梅田エリア巡回)、北館 館内サイネージ(計5台) |
アーティスト | Mon Koutaro Ooyama はじめ計23名(うめぐるARTバス)、たかくらかずき(デジタルアート) |