アートギャラリー・美術館展覧会のおすすめ情報

2023年6月開催のアートギャラリー・美術館の展覧会をご紹介します。開催スケジュールのほか、展示作品などの詳細情報をお伝えします。なお、最新の開館情報については、各美術館・博物館のホームページなどご確認のうえ、ご来館ください。adf-web-magazine-june-2023-art-gallery-museum-information-1

東京国立近代美術館 「ガウディとサグラダ・ファミリア展」

東京国立近代美術館にて、2023年6月13日(火)~9月10日(日)の間、「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が開催されます。スペイン、カタルーニャ地方のレウスに生まれ、バルセロナを中心に活動した建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)。バルセロナ市内に点在するカサ・ビセンス、グエル公園、カサ・バッリョ、カサ・ミラ、サグラダ・ファミリアなど世界遺産に登録された建築群は、一度見たら忘れることのできないそのユニークな造形によって世界中の人々を魅了し続けています。

本展は、長らく「未完の聖堂」と言われながら、いよいよ完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリアに焦点を絞り、この聖堂に即してガウディの建築思想と造形原理を読み解いていくものです。

また、「降誕の正面」を飾る彫像も自ら手掛けるなど建築・彫刻・工芸を融合する総合芸術志向にも光を当て、100点を超える図面、模型、写真、資料に最新の映像をまじえながらガウディ建築の豊かな世界に迫ります。どうぞお楽しみください。

大阪中之島美術館 開館1周年記念展 「デザインに恋したアート・アートに嫉妬したデザイン」

大阪中之島美術館は、開館1周年記念展として「デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン」を、2023年4月15日(土)~ 6月18日(日)の会期で開催します。

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本展は、大阪中之島美術館が活動の両輪とするアートとデザインを並行的に展示し、デザインとアートの境界や「重なりしろ」を訪ねる試みです。「これはデザイン?」「こっちはアート?」という問いかけと答えを、ひとつひとつの作品を前に体験いただく機会となります。どうぞお楽しみください。

NTTインターコミュニケーション・センター 「ICCアニュアル2023 ものごとのかたち」

NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センターでは「ICCアニュアル 2023 ものごとのかたち」を2023年6月24日(土)から2024年1月14日(日)まで開催します。 「ICC アニュアル」は、2006年度から2021年度まで開催した「オープン・スペース」展を、その役割やコンセプトを継承しながら、2022年度より長期展示としてリニューアルした展覧会となります。今年度のICCアニュアルでは、拡張された現実世界としての仮想世界が生活環境として浸透しつつある現在、物事や出来事のかたちはどのように変化するのか、記憶、ふるまいはどのように表されうるのかを、さまざまな異なるテーマの作品から考察します。adf-web-magazine-june-2023-art-gallery-museum-information-8

NANZUKAと草月会館にて ケニー・シャーフ個展「I’m Baaack」

NANZUKAは、アメリカ人アーティスト、ケニー・シャーフの個展「I’m Baaack」を、NANZUKA UNDERGROUNDにて2023年6月10日(土)から7月9日(日)まで、また、草月会館にて、2023年6月10 日(土)から6月30日(金)まで開催します。本展はシャーフにとって日本のプライマリーギャラリーにおける展覧会として、約30年ぶりとなる新作個展となります。

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Kenny Scharf AKAO 2023, Acrylic & oil on linen with powder coated aluminum frame
H152.4 x W182.8 cm INV#: KES_007 ©Kenny Scharf, Charles White of JWP Photography, Courtesy of NANZUKA

会場:NANZUKA UNDERGROUND
会場:草月会館
  • 会期:2023年6月10 日(土) ~6月30日(金)
  • 住所:東京都目港区赤坂7-2-21
  • 時間:火~木曜日 11:00-16:00、 金・土曜日 11:00-17:00
  • 休館日:日曜、月曜

山口情報芸術センター[YCAM] 「The Flavour of Power─紛争、政治、倫理、歴史を通して食をどう捉えるか?」

山口情報芸術センター[YCAM]では、YCAMが実施する研究開発プロジェクト「食と倫理リサー チ・プロジェクト」の成果を発表する展覧会「The Flavour of Power(ザ・フレーバー・オブ・パワー)─紛争、 政治、倫理、歴史を通して食をどう見るか?」を開催します。adf-web-magazine-june-2023-art-gallery-museum-information-6

本展はYCAMが実施する研究開発プロジェクト「食と倫理リサーチ・プロジェクト」の成果を発表する展覧会です。プロジェクトの過程で、インドネシアを拠点に活動する8人組のアーティスト集団、バクダパン・フード・スタディ・グループとともに食にまつわる倫理的な側面にまつわる調査を実施。おもに太平洋戦争中の日本とインドネシアの食における関わりから、農作物の遺伝子改変や単一作物の生産への依存(モノカルチャー)を取り上げてきました。展覧会では、これらのリサーチの成果を映像インスタレーション、カードゲーム、資料展示として発表されます。このほか会期中、野草採取のワークショップやカードゲームの体験会なども開催されます。どうぞお楽しみください。

東京アートミュージアム 「フィルムフォトのアクチュアリティー」

東京アートミュージアムでは2023年4月1日(土)から6月25日(日)の間、「フィルムフォトのアクチュアリティー」を開催します。本展はフィルムカメラを用いたストレートフォトグラフィーの作品と、写真家同士の対話を通じて、その重要性や可能性を探ります。三人の写真家(由良環氏、船木菜穂子氏、小平雅尋氏)は対話の中で、「シャッターを押したことは、種を撒いたに過ぎない」(由良)、「撮った時の感触が良かったら、見るまでずっといい気分。」(船木)、「自分が思い描くものとは別の答えが導かれる。」(小平)と述べています。これらは作品の中でどのように活かされているのでしょうか。本展は写真というメディアの在り方について、改めて考える機会となることでしょう。ぜひお楽しみください。
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現代アートギャラリー「Galerie Supermarkt」

このたび神宮前に新たなスペースをオープンするGalerie Supermarktにて2名のアーティストによる展覧会「Welcome to my melancholy」が開催されます。出展は韓国出身・ロンドン育ちのアーティスト、サン・ウー・キムとイタリア、カヴァレーゼ生まれでロンドンを拠点に活動するアーティスト、ヨハネス・ボシシオです。2人の対話を通じて脆弱さ、美しさ、内省について探究します。資本主義社会における生産性と成功への社会的な圧力、人間の感情の複雑さ、そしてそんな生きづらい世界において芸術が共感と理解を促進する上で果たす役割について触れた展覧会です。adf-web-magazine-june-2023-art-gallery-museum-information-4

  • タイトル:Welcome to my melancholy
  • 会期:2023年6月3日(土) ~ 7月9日(日)
  • 会場:Galerie Supermarkt
  • 時間:11:00~18:00

西武池袋本店 生誕120周年記念年展「板画家 棟方志功の世界」

西武池袋本店にて、日本が世界に誇る板画家・棟方志功の生誕120年を記念して、生誕120周年記念年展「板画家 棟方志功の世界」が2023年6月14日(水)から6月20日(火)まで開催します。棟方志功のエネルギーに満ち、深い精神性に溢れた独創的な作品群は、戦後になると1955年サンパウロ・ビエンナーレでの版画部門最高賞を皮切りに、1956年ヴェネツィア・ビエンナーレでの国際版画大賞の受賞と海外で高い評価を重ね、国際的な評価を不変のものとしました。同氏の初期から晩年までの板画、倭画、油画、書の逸品の数々120余点を堪能することができます。

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吉祥天妃の柵 25.5×19.8

  • タイトル:板画家 棟方志功の世界
  • 会期:2023年6月14日(水)~6月20日(火)
  • 会場:西武池袋本店7階(南) = 催事場A 
  • 時間::10:00~21:00 *日・祝休日は~20:00(不定休)※最終日は、当会場のみ午後5時にて閉場。
  • 入場料:無料

横浜マリンタワー 岡田杏里個展「目をつぶって、本のように 地層を開く」

横浜マリンタワー2階のアートスペースで、アーティスト・岡田杏里の個展『Cerrar los ojos, abrir las capas de la tierra como un libro / 目をつぶって、本のように 地層を開く』が6月1日(木)から6月30日(金)の期間に開催されます。メキシコ、グアテマラへの留学や研修を経験した岡田は、その土地に息づく先住民の神話や詩、非日常の風景など、独特の文化に深く触れながら精力的にジャンルを超えた作品を生み出してきました。

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メキシコでの滞在を通じて「同じ空間の中に原始の世界から現代社会までが共存し、街中でもジャングルの村でも、時折幻を見ているかのような不思議な気分になる」と語る岡田の作品には、メキシコの風⼟と⽂化から受けた影響が表れています。本展では、2019年から2022年にメキシコと日本で制作された絵画作品の中から近作48点を展示いたします。