複数の事業体が集うプラットフォームとしてのオフィス

ステイスタジオ&マークランド・アーキテクツがデザインした、ベルギーのコルトレイク、ヴェーマルクトに位置する雑居ビルの2階のクリエイティブオフィス「リンクラボ」が、ワールド・アーキテクチャー・フェスティバル(WAF)2023で小規模オフィス部門を受賞した。10年間空き家だった商業スペースを設計チームがオフィススペースとクリエイティブプラットフォームとして再利用した。都市プランナー(デンシティ)、大規模開発の建築関連(マークランド)、個人住宅のデザイナー(USアーキテクツ)、インテリア・デザイナー(ステイスタジオ)など、複数のクリエイティブエージェンシーがここにワークスペースを置いている。

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Photo credit: Cafeine

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「プラットフォーム」という考え方はオフィスのインテリアデザインにおいて重要な役割を果たした。どのエージェンシーもブランディングや区分けによって「自分の」空間を主張することはなく、異なる事業体のデザイナーが入れ替わり立ち替わり座っている。フロア全体がオフィススペースとして、また建築ワークショップやネットワーキングイベント、レクチャーのスペースとして共有されている。

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スペースにはエスカレーターで入るが、これはこのスペースが元々店舗として使われていたことに由来する。中に入ると明確なレセプションエリアはなく、待合、レセプション、スピーカーコーナーとして使えるオープンな中央スペースがある。空間のシェルは可能な限り保存され、壁や天井の一部を吸音性のある吹き付け漆喰で化粧し、空間に一体感が生まれるよう演出されている。換気ダクトなどの配管が空間全体に見えるようにしていることも一体感を一層高めている。

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作業場や会議のプライバシーを守るために必要な空間の最小限の間仕切りは、温室構造に使用される透明な壁とドアという工業的なソリューションで実現した。インテリアデザイナーは電気配線にもインダストリアルなオプションを選択。これらの最小限のソリューションは、エコロジーへの配慮にも由来している。

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これらの最小限のソリューションは、高級ベニヤ、大理石、特注家具、鏡、デザイナーズ家具など、上質な調度品とのコントラストを際立たせている。このコントラストがこのプラットフォームにスタイリッシュな大胆さと、どの事業体のスタッフであってもその個性を認識できる雰囲気を醸し出している。

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ステイスタジオとマークランドはシンガポールで開催されたWAFとワールド・フェスティバル・オブ・インテリアに参加し、「ザ・スカイ」(学生ホテル、Vives Kortrijkキャンパス)と「リンクラボ」をファイナルで披露した。「ザ・スカイ」は「未来のプロジェクト」部門のファイナリストに、そして「リンクラボ」は同フェスティバルのインテリアデザイン部門である「インサイド」の「小規模オフィス」部門のファイナリストに選ばれた。最終的に「リンクラボ」は同部門で優勝、国際的な審査員によって1,000m2以下のベストオフィスに選出された。

ステイスタジオ

ステイスタジオはリンクラボという大きなグループの一員として2019年に設立。このグループの他のパートナーには、マークランド・アーキテクツ(専門家向け建築)、USアーキテクツ(住宅建築)、デンシティ(都市計画)がいる。