韓国サッカーの未来を支える新たなナショナルキャンパス
建築デザインスタジオUNSは韓国・天安市に計画を進めてきた「Korean Football Park」の完成を発表した。韓国サッカー協会(KFA)の新たな本拠地となる本施設は、トップアスリートの育成だけでなく、次世代選手やファンとの交流、スポーツ教育、リカバリーまでを包括する複合スポーツキャンパスとして計画された。
総敷地面積約45万㎡の広大な敷地には、国際レベルのトレーニング施設と医療・ウェルネス機能、教育施設、一般来訪者向けの広場を一体化。韓国サッカーの次の100年を支える拠点として、新たなランドマークを目指している。UNS創設者でプリンシパルアーキテクトのベン・ファン・ベルケルは、「このキャンパスは韓国サッカーに力強い建築的アイデンティティを与えると同時に、競技の持続的な成長を支える環境を実現した。選手にはトレーニングと休息に最適な環境を提供し、サポーターや来訪者にはサッカーという文化との新たな接点を生み出している」と語る。
建築とスポーツ運営が融合したマスタープラン
UNSはマスタープランをはじめ、選手宿舎、屋外スタジアム、韓国サッカー協会本部、全天候型屋内トレーニング施設など、主要施設を一体的に設計した。計画には、スポーツ科学、スタジアム運営、アクティブテクノロジー分野の専門家が参加し、オランダのヨハン・クライフ・アレナとも協働。セキュリティ計画やメディア動線、施設運営、将来的な設備更新までを視野に入れた柔軟性の高いキャンパスが実現している。ヨハン・クライフ・アレナ元CEOのヘンク・マルケリンクは、「このようなトレーニング施設では機能配置が極めて重要である。公共空間から半公共、そしてプライベートエリアへと自然に移行する構成を採用することで、小さな都市へ入っていくような体験を生み出した」と述べている。
韓国代表チームの新たなホーム
施設はソウルから約1時間の天安市に位置し、韓国代表チームの活動拠点であると同時に、育成年代や女子サッカー、地域コミュニティにも開かれた施設として計画された。キャンパスの中心には広場を配置し、その周囲にサッカーミュージアム(建設予定)、屋内スタジアム、韓国サッカー協会本部を統合した屋外スタジアムを配置。イベントや日常利用、商業機能が集まる交流拠点として機能する。本部機能とスタジアムを一体化したことで、運営スタッフ、監督、選手、サポーターが近い距離で活動できる環境を実現。スポーツ医療スタッフは試合やトレーニングをリアルタイムで分析しながらチームと連携できるなど、競技力向上を支える設計となっている。
地形を生かしたランドスケープデザイン
山々に囲まれた起伏ある敷地では、段状のランドスケープを採用し、各競技フィールドを効率的に配置するとともに、公共空間から選手エリアへ自然に移行する動線を形成している。
完成したキャンパスには、
- サッカーグラウンド11面
- 屋内スタジアム
- 屋外スタジアム
- サッカーミュージアム(計画中)
- フィットネス施設
- 医療・リハビリテーション施設
- 商業施設
- 多目的スポーツ施設
- ユース選手宿舎
- 女子代表トレーニング施設
- ホテル・スパ
などが整備され、一年を通して利用できるスポーツ拠点となる。
パフォーマンスとウェルビーイングを支える環境
韓国サッカーパークは、競技施設にとどまらず、現代スポーツに欠かせないリカバリー、メンタルケア、医療、データ分析を統合した環境として計画された。ランニングコース、トレーニングジム、治療エリアを効率よく配置し、トレーニングからコンディショニング、回復までをシームレスにつなぐ。内装には自然素材や植栽を積極的に取り入れ、周囲の景観を生かした設計によって集中と休息を両立する空間を実現。さらに、照明やセンサー、データ分析システムなど将来的な技術更新にも対応できるインフラを備え、スポーツ科学の進化に合わせて成長し続けるキャンパスとなっている。ヨハン・クライフ・アレナのインターナショナルディレクター、サンダー・ファン・スティフアウトは、「このプロジェクトの本質は、トップレベルのサッカーと未来を担う若い世代を結び付け、さらに地域社会にも開かれた場所であることだ。この二面性こそが大きな価値を生み出している」と語る。
UNS
UNSは1988年に建築家ベン・ファン・ベルケルとカロライン・ボスがアムステルダムで設立した国際的な建築・デザインスタジオ。建築をはじめ、都市計画、ランドスケープ、インテリア、プロダクトデザイン、UXデザインまで幅広い領域で活動する。現在はアムステルダム、上海、香港、ドバイ、フランクフルト、メルボルン、リヤド、オースティンなど世界各地に拠点を構え、革新的なデザインを通じて人々の暮らしと都市の未来を提案している。

日本語
English










