パッシブデザインや柔軟なオフィス計画、緑化を融合し、インド有数の高温都市で省エネルギーと快適性を両立
サンジャイ・プリ・アーキテクツ(Sanjay Puri Architects)が手がけた、インド・ジャイプールに建つ「The Primus」は国内でも特に厳しい暑さに見舞われる都市環境に対応するために設計された気候応答型オフィスビルである。ジャイプール空港に隣接する敷地に位置し、厳しい建築条件を、より健康的で持続可能なワークプレイスを実現する機会へと転換している。
計画では建物高さが30メートルに制限されていたことから、各階に8区画のオフィスを効率的に配置。各ユニットは60~125㎡で構成され、柔軟な構造計画により、テナントのニーズに応じて複数区画を一体化し、より広いオフィスとして利用できる。
機械設備への依存を抑えるため、建物全体にはパッシブ環境設計を積極的に採用した。各オフィスには、縦型アルミニウムスクリーンで囲まれたカプセル状の植栽テラスが設けられ、大型のガラス開口部を介して内部空間とつながる。これらの緑化された緩衝空間は、日射熱を軽減するとともに、隣接する空港や幹線道路からの騒音を和らげ、執務空間へ自然を取り込む役割を果たしている。
敷地面積1,735.88㎡、延床面積9,475㎡の本プロジェクトは、開発条件を満たすため建築面積を最大限に確保した。その結果、地上部に十分な庭園を設けることはできなかったが、その代わりとして各階に連続する植栽テラスを設け、さらに屋上には緑化庭園を整備することで、利用者のための屋外空間を創出している。
年間およそ8か月にわたり気温が40℃を超えるジャイプールの過酷な気候に対し、建物は日射遮蔽、自然換気、豊富な植栽を組み合わせることで応答。室内の温熱環境を向上させると同時に、運用時のエネルギー消費を抑えている。
空間の柔軟性と気候応答型デザイン、さらにバイオフィリックデザインの考え方を融合したザ・プリムスは、環境負荷を低減しながら、より健康的で変化に対応できるオフィス環境を実現するプロジェクトである。高温地域における持続可能なオフィス建築の新たなモデルを提示している。
- Photo credit: Vinay Panjwani
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Sanjay Puri Architects
Sanjay Puri Architectsは、オランダ・アムステルダムの建築プラットフォーム「Archello」が発表する「世界の建築家トップ100」において第32位にランクインしている。また、「ArchDaily」「Architizer」「WA(World Architecture)」および「The New York Architectural Design Awards」などが選出する世界の建築家トップ100にも名を連ねている。
現在は108名の専門スタッフを擁し、世界55都市で200件を超えるプロジェクトを進行中。地域の文脈に根ざした持続可能なデザインを追求するとともに、革新的な空間体験や建築表現を探求することが設計理念の核となっている。

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