燕子湖の自然環境と連続する歩行可能な屋上公園が深圳の新たな文化的ランドマークを形成
深圳自然史博物館は、傾斜屋根、テラス、広場が連続する巨大な地形として構想された。歩行可能な屋上公園は周囲の地面を建築の上へと延長し、展示室を訪れない市民も日常的に利用できる公共空間を形成する。都市側から見る外観は、河川の流れや周辺の丘陵を想起させる滑らかな輪郭を描く。花崗岩を用いたファサードには彫刻的な開口部が設けられ、内部に収められた展示空間の存在を示している。
建築を独立した物体として置くのではなく、土地の地質、水、時間によって形づくられた風景の一部として扱うことが設計の核となった。3XN創設者で建築家のキム・ハーフォース・ニールセンは、自然には正方形が存在せず、常に変化し形成され続けるという考えから、建物ではなく以前からそこに存在していたような風景を目指したと説明している。
5つの円錐形ボリュームが生む空間体験
館内では5つの円錐形ボリュームが主要な展示室を構成する。来館者は円錐の間を移動しながら、洞窟のような通路、吹き抜け、テラス、切り取られた眺望を体験する。光と影が曲面を横断し、自然史の物語を身体的な移動として感じられる空間となっている。8つのテーマ展示室では、宇宙の起源から生命の誕生、恐竜、人類の進化、深圳を形成する生態系まで、46億年に及ぶ地球史を紹介する。動物、植物、鉱物、化石の標本に加え、大規模インスタレーションや映像環境を組み合わせ、中国南部の山、川、海と世界規模の自然史を接続する。主要展示室の展示デザインにはAtelier BrücknerとMuseum Studioが参加した。曲面壁や垂直方向に伸びる空間を活用し、標本、映像、建築を連続させることで、来館者を観察者から物語の参加者へと導く。
国際協働が実現した深圳の文化的ランドマーク
プロジェクトでは、コペンハーゲンを拠点とする3XNがリードデザイナーと基本構想を担当した。B+H Architectsはリードコンサルタント、実施設計、ランドスケープ、インテリアデザインを担い、Zhubo Designは深圳における技術設計、法規対応、構造・設備設計を支えた。設計競技で選定された明快なコンセプトを維持しながら、大規模かつ複雑な建築を実現するため、建築、構造、設備、ランドスケープ、展示計画、施工の各分野が国境を越えて連携した。屋上公園から円錐形の展示室までをひとつの教育的ランドスケープとして構成する深圳自然史博物館は、科学、自然、都市生活を連続した体験へと変換する。急速な発展を続ける深圳において、地域住民と世界各地からの来館者を迎える文化的ランドマークとなる。
3XN
1986年に建築家キム・ハーフォース・ニールセンがデンマークで設立した建築設計事務所。人間の行動と体験を重視し、意匠、機能、循環性、ウェルビーイングを統合した建築に取り組む。コペンハーゲン、ストックホルム、シドニー、ニューヨーク、ロンドン、アムステルダムに拠点を構える。
B+H Architects
B+H Architectsは70年以上の歴史を持つ国際的な建築・デザイン事務所。建築、インテリアデザイン、ランドスケープ、都市計画、アドバイザリーを横断し、地域性と技術的精度を備えた環境を創出している。
Zhubo Design
Zhubo Designは、1996年に設立された深圳の総合設計組織。建築、都市計画、インテリアデザインなどの分野で1,600人を超える専門家を擁し、BIM、環境建築、スポンジシティ、スマートビルディングなどの技術に取り組む。

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